(2)初期消火
火災は発見が早ければ早いほど火勢の鎮圧が容易です。
白煙の噴出及び多少の黒煙が混合している場合は、初期消火が可能な段階と判断できます。
燃焼(火災)は、?「可燃物」 ?「酸素(空気)」 ?「熱」の三要素が揃ってはじめて行われます。
この中の一つでも欠ければ燃焼しません。
従って、初期消火で最も重要な事は、手近な消火器具により三要素の一つを取り除く事です。
消火作業は、一人の場合を除き船内の全員に大声で知らせ、時期を失せず総力を結集し、消火に当たることが大切です。
?火元と原因を確認し、最も有効な消火方法を選択します。
?通常火災の場合、消火器と放水を併用します。
?燃えている可燃物を取り除き、船外(海中)に放棄します。
?火元及び周辺の可燃物に放水し、熱冷却を行います。
?火元を濡れ毛布等で覆い空気を遮断します。
?火災区画を密閉し、空気を遮断する密閉消火を行います。
?油火災には、消火器を使用します(油のしみたウエス等には砂も有効です)。
※通常火災で一番有効な消火方法は、消火器と放水です。
油火災についても、状況によっては放水消火が可能です。
油に水は禁物との先入観が強く、少量の油火災についても放水をためらう傾向がありますが、少量の料理用油等の火災には、油の飛沫に十分注意し、放水及び濡れ毛布等による消火は可能です。
自船の周囲に無限の水(海水)がある事を忘れないで下さい。

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