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    (3) 曳索の長さ

     曳航中の曳索は、気象海象(風・波・うねり等)による外力や船体動揺により、急激な張力(荷重)が繰り返され、時には過度な張力が加わります。 そのため、急激な張力を軽減する長さの決定は、曳航時の重要な条件となります。

    ?曳索は、曳船と被曳船の長さをプラスした和の3倍以上が、曳航する船型及び曳航条件等により、そ
      の都度長さを調整する必要があります(同一の長さでも、船種船型によりトン数及び水線下の形状が
      著しく異なり、曳航時の風圧・水に対する抵抗値が一定しない)。
    ?曳航開始後、調整に必要な(繰り出す場合)の長さを十分確保します。
    ?波長に合わせ、曳索の長さを調整します。特に、荒天時や湾外等の外洋では注意が必要です。


    図1 曳索の長さが波長に合わないと、過度の張力が加わり、曳索の切断、ビット・クリート等の破損につながります。


    図2 波長に合わせ、曳索を調整します。

    ?波浪等の影響により、曳索が連続して緊張を繰り返す場合、曳索の中間に2〜3メートルのチェーンを
      つなげ、弛みを持たせ張力を緩和させる方法や、曳索を長めにする方法も効果的です。

    図3 曳索の中間を重量物等で弛ませる

     

     

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