
会員便り
真のウォーターフロンテを目指して 協会理事 佐藤幹彦
いよいよ明年オープンを目指し、わが国最大級1000隻収容の名洗港公共マリーナ建設が大詰を迎えました。
運輸省港湾局が“海洋性レクリェーション拠点港湾"の冠をのせ、南北に細長く弓なりに伸びる日本列島のど真ん中銚子市に、外洋性クルージング・ネットワークの拠点港湾としての役割を果たしつつ地域活性化の核となるべき事業として推進してきたものです。
当時市長を務め漁業者の説得や関係機関への事業採択に、東奔西走の日々を過ごした私にとってはその成り行きに関心が高まります。昭和63年総事業費180億円を見込んだ港湾整備計画に、その事業主体、予算配分、費用の捻出に頭をいためた日々がつい昨日のように思い起されます。この事業は規模・性格から国にとっても、将来国民の要請に応える重要な港湾との認識から「重要港湾」指定による整備を、運輸省・千葉県・銚子市一体となって予算要求を大蔵省にお願いしました。しかし大蔵省のガードは堅く、「遊び、レクリェーションを国家として重要との認識はとれない」の一点張りで二年越しの継続審議となりました。私としては最後の手段、時の宮沢大蔵大臣へ直訴するしかないことを決意し、陳情団を帯同して懇願をしました。結果「重要港湾」の指定は出来ないが、「重要」並の予算配分と費用の負担は考える。したがって必要とする規範を港湾局長において制定するようにとの判断が示されました。それをうけた運輸省御巫港湾局長は好意的な「海洋レクリェーション拠点港湾」なる新しい制度を創設して下され事業が着手し、爾来第二港湾建
設局の格別のご配慮により工事が継続され今日を迎えました。
バブル崩壊に端を発した経済構造不況は目を覆うものがあります。しかし人間が人間らしく生きたいと願う気持ちは以前にまして強いものを感じます。
・銚子市名洗・
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