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中高年女性の水泳運動中の酸素摂取量に関する事例研究

 研究結果
 トレッドミル上の走運動による最高酸素摂取量は32.2±6.4ml/kg/min,血中乳酸濃度が2mMに相当する乳酸性作業閾値は23.3±3.2ml/kg/minであった(Table2).換気交換比(RespiratoryExchangeRatio:RER)の最高値の平均値は1.11±0.06であった.一方,水泳運動における酸素摂取量の最大値は27.6±7.2ml/kg/minであり,トレッドミル上で記録された最高酸素摂取量より有意に低かった(p<0.001)(Table2).またトレッドミル上で記録された最高酸素摂取量に対する水泳運動における酸素摂取量の最高値の比は平均で85±9%であった.しかし,水泳運動中のRERの最高値の平均は1.08±0.12でトレッドミル運動で観察されたものと有意差はなかった.トレッドミル運動による最高酸素摂取量の値と水泳運動における酸素摂取量の最大値は有意な相関関係が見られた(r:0.91,p<0.001,Fig.1).
 個別に見ると,このなかで水泳コーチであり水泳経験の最も長い被検者SWは,他の被検者と異なり水泳運動中に観察された酸素摂取量の最高値の方が,トレッドミル上で観察された最高酸素摂取量より7%高かった.その他の被検者ではほぼ,水泳運動による酸素摂取量の最大値はトレッドミル上で観察された最高酸素摂取量の約8割程度であった.


Table 2.
Peak oxygen uptake during treachrlill exercise and the highest value observed during
intermittent swimming exercise in middle-aged to elderly female swimmiers




Fig. l.
Relationship between peak the peak oxygen uptake during
treadmil exercise and oxygen highest oxygen uptake
during the swimming.


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