中高年者における椅子起立時間および歩行速度に及ぼすトレーニングの影響
研究結果
被験者のトレーニング前の年齢,身長および体重とトレーニング前後における10m歩行テストおよび椅子起立時間の結果を表1に示した.
トレーニング後,男女の歩行時間および速度にはいずれも改善が認められ,その短縮(女性:5.19±0.66秒→4.74±0.59秒,男性:5.04±0.65秒→4.46±0.69秒)あるいは増加(女性:118±16m/分→129±17m/分,男性:121±16m/分→138±24m/分)は,いずれも統計的に有意であった(p<0.001).また,椅子起立時間の平均値にも女性で1.83秒,男性で2.75秒の短縮が観察され,その変化はいずれも有意であった(p<0.001).なお,トレーニング前後における男女の歩行時間,速度および椅子起立時間の平均値には,性差は認められなかった.
表2に,年齢と椅子起立時間および歩行速度,ならびに歩行速度と椅子起立時間との相関関係を示した.
トレーニング前の椅子起立時間は女性では年齢とともに延長する傾向を示し,両者の間の相関係数は統計的に有意であった(r=0.37,p<0.05).しかし,男性では両者の間に有意な相関関係は観察されなかった.
一方,歩行速度は女性では年齢に伴って低下する傾向を示したが,その変化は統計的には有意ではなく,男性においても,年齢による一貫した変化傾向は認められなかった.また,男女の歩行速度と椅子起立時間との関係にも,有意な関連性は観察されなかった.
Table 1.
Physical characteristics of the subjects and results of 10
m-walk and timed-stand tests.
Table 2.
Correlation coefficients between two parameters.
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