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 研究結果
 1.実測の歩行指標
 高齢群と若年群における男女別の歩行速度、歩幅、歩調、歩隔、足向角、最小爪先高、重心の上下動と左右動の平均値と標準 偏差を表1に示した。

表1被験者群の年齢、体格、および歩行中の各測定項目における平均値と標準偏差。
    有意差は高齢群と若年群の比較で、nsは有意差なし、*はp<0.05、**はp<0.01、
***は0.001を示す。                                  



 (1)年齢と歩行速度:年齢と歩行速度の関係を図2に示した。高齢群において男性では速度と年齢の間に有意な相関関係が 見られなかったが、女性では有意な負の相関関係(r=-0.675、p<0.001)が見られた。歩行速度の平均値は、男女とも高齢群の方 が若年群より有意(p<0.05)に遅かった(表1)。


図2 歩行速度と年齢の関係。白が若年群、黒が高齢群を示す。


 (2)歩幅と歩調:歩幅は歩行速度と、男性の高齢群がr=0.863、若年群がr=0.932(いずれもp<0.001)、女性の高齢群がr=0.732 (p<0.001)、若年群がr=0.699(p<0.01)で、いずれも有意な正の相関関係が認められた(図3最上段)。同一速度で比較すると、男性の 場合、高齢群の歩幅は若年群とほぼ同じ値を示したが、女性においては高齢群の歩幅が若年群よりやや小さい傾向を示した。 歩調は歩行速度と、男性の若年群がr=0.696、女性の高齢群がr=0.647、若年群がr=0.759(いずれもp<0.001)で、有意な正の相関関 係を示した(図3、2段目)。同一速度で比較すると、男性においては高齢群と若年群がほぼ同じ値を示したが、女性においては高 齢群の歩調が若年群よりやや大きい傾向を示した。


図3 歩幅、歩調、重心上下動、重心左右動と歩行速度の関係。白が若年群、黒が高齢群を示す。
若rは若年群、高rは高齢群の相関係数。**はp<0.01、***p<0.001。         


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