4.歩行指標の計測
歩行速度は歩行路の中心付近で歩いた1サイクル(連続する2歩)の移動距離とその時間から求め、歩幅は1歩の距離、歩調は
1秒当たりの歩数で算出した。最小爪先高は、スイング足の爪先の高さがスイング中間期で最小値となった時の床からの高さ
とした(図1A)。歩隔は、1サイクルの足跡を基に、同一足の連続する2つの踵を結ぶ線に対側足の踵から引いた垂線の距離とし
た。足向角については、靴の先端と踵を結ぶ線と進行方向とのなす角を計測した(図1B)。身体重心座標は、松井9)の身体係数を
用いて算出し、重心上下動は、上昇距離と下降距離の平均値、重心左右動は、左右方向の移動距離の平均値でそれぞれ求めた。
図1 最小爪先高、歩隔、足向角の測定方法
5.身長による補正
被験者の身長差を消去するために、足向角を除く歩行指標について、身長を170cmと仮定したときの補正値を求めた。本来は
脚長で補正すべきだが、脚長が身長に比例すると仮定して身長で補正した。歩行速度の補正にはFroude number1)、すなわちV2/
(gh)を利用した。Vは歩行速度、gは重力加速度、hは身長(cm)である、このFroude numberは、サイズの差を消去した場合の速度を
意味する係数である。本研究では、この係数を利用し、被験者の身長を170cmと仮定したときの速度の補正値を歩行速度に(170/h)
1/2を乗じて算出した。歩幅などの長さの項目については(170/h)を乗じ、歩調については(h/170)1/2を乗じてそれぞれ補正した。
6.統計処理
2つの群間の比較には対応のないt検定を用いた。
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