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 3.筋力測定の結果(表2)
 (1)握力
 握力は左右それぞれ3回ずつ測定した。各被検者の左右それぞれ3回の測定値を用いてCVを求め、48名のCVの平均および範囲 を算出した結果、左握力測定値のCVは4.9±3.1、範囲0.7〜16.0%であった。右握力測定値のCVの平均および範囲はそれぞれ4.1± 2.4、0.6〜10.6%であり、比較的バラツキは少なかった。次いで、左右の測定値のうち最も高い値をそれぞれ採用し、それら左右の握 力測定値間の相関係数を算出した結果、r=0.839(p<0.001)が得られ、両者の相関は高かったが、48名の平均では右の握力が1.86kg高 値(0<0.05)であった。なお、ここでは左右それぞれ最も高値の握力を平均し、握力の代表値とし、表2に示した。
 (2)背筋力
 背筋力は2回測定した。1回目と2回目の測定値間の相関係数は、r=0.833(p<0.001)であった。各被検者の2個の測定値のバラツキ (CV)を算出し、48名のCVの平均値および範囲を調べた結果、CVの平均は4.5±4.1、範囲は0〜23.1%であり、背筋力測定値の再現性 は比較的高く、変動の少ないことがわかった。なお、ここでは2個の測定値のうち最も高い値を背筋力の代表値とした。
 (3)握力と背筋力測定値との関連
 左右それぞれで最も高い握力の平均値つまり握力の代表値と背筋力の代表値との相関を求めた結果、r=0.528(n=48、p<0.001) が得られた。

Tabie2. Body mass  index  (BMI),  grip
      strength and back strength in nor-
  mal young females      

 4.運動歴の調査結果
 48名の被検者のうち中学時代に運動部に所属していた者は34名(69.4%),高校時代は17名(35.4%)、中学・高校時代通して所属 していた者は16名(33.3%)であった。なお、高校卒業後1〜2年経た現在定期的に運動しているものはいなかった。

 5.重心動揺測定値と片足立ち保持時間との関連
 開眼時と閉眼時の重心動揺測定値および片足立ち保持時間との関連は既に調べたので、ここでは単相関分析により重心動揺 測定値と片足立ち保持時間との関連を調べた。しかし、開眼・閉眼時LNG、LNG/TおよびLNG/E.A.と開・閉眼片足立ち保持時間 いずれとの間にも有意な相関係数は与えられなかった。つまり、姿勢調節能力指標として測定された重心動揺測定値と片足立ち 保持時間とはまったく関連がないことが示された。


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