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 研究結果
 図2は試行回数の増加に伴うMF/Wtの変化を、高校生と成人で比較したものである。1セット目から5セット目までは、成人が高校 生より有意に高い値を示した。しかし、6セット目以降の値に、有意なグループ間の差は認められなかった。MF/Wtの低下率は高校生 (13.4±2.10%)が成人(26.1±2.79%)より有意に低い値を示したが、両グループとも6セット目以降の変化はわずかなものであった。
 一方、MVに有意な差が認められたのは、1セット目から3セット目までであった(図3)。MVの低下率はMF/Wtと同じく高校生 (18.6±1.88%)が成人(35.5±3.08%)より有意に低い値であった。また、両グループともMVの低下率はMF/Wtのそれに比べ高い傾向 にあり、成人の場合に両比率間に有意な差が認められた。
 MP/Wtの試行回数の増加に伴う変化は図4に示した。1セット目から5セット目までの値は、成人が高校生より有意に高い値を示 した。高校生の場合に、1セット目が5.5(±0.39)W/?、10セット目が4.2(±0.20)W/?であり、26.7(±2.50)%の低下であった。一方、成人 は1セット目8.5(±0.59)W/?から10セット目4.6(±0.37)W/?まで低下し、その低下率(51.6±3.22%)は高校生より有意に高いもので あった。


Fig. 2 Mean force per unit of body mass (MF/ Wt) during each of the 10 sprint running efforts in the high school boys (○) and adult subjects (●) .*, p<0.05

Fig. 3 Mean velocity (MV) during each of the 10 sprint running efforts in the high school boys (○) and adult sub- jects (●). *, p<0.05

Fig. 4 Mean power per unit of body mass (MP/Wt) during each of the 10 sprint running efforts in the high school boys (○) and adult subjects (●). *, p<0.05



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