G 将来の展望
1、西暦2000年の介護保険制度施行を見越して、在宅患者のADLや痴呆の状況、社会資源の利用の状況を調査し、介護保険前後を比較することが可能であり、へき地の介護・福祉のあり方を考える上で有用な資料を提供できるであろう。
2、一般に、へき地では医療機関、特に入院施設が不足しているため、また、あっても遠いため、入院が都市部よりは困難なのでより医療依存度の高い患者が在宅になることが多いかもしれない。今回のサーベイランスでも胃ろう、気管切開、膀胱留置カテーテル、在宅酸素療法など何らかの医療を継続的に必要とする患者がいる。これらの頻度をあきらかにすることで、ケアの手間の見積もりも可能になる。
3、へき地勤務の医療従事者に要求される知識、技能について予想でなく、実際に必要なことが何で、どのくらいの業務量になるのかを見積もることが可能になり、自治医科大学の卒後研修プログラムや卒前教育に反映させることが期待される。