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インタビューは、不眠及び便秘、それぞれ最低15分以上、それぞれの調査項目を質問し、対象者が述べる内容を記述した。
 解析については、インタビューで得られた結果は研究者4名(岡山、宮本、濱崎、三瀬)が評価した後に分類した。
B.N-of-1 trial
 不眠または便秘の外来患者を対象とした。対象疾患及び対象患者の選択基準は、(1)医師および患者ともに治療効果が確信できない場合、(2)医師は効果がないまたはかえって不利益が生じるかも知れない治療法を患者が強く受けたいと主張する場合(何を言っても患者の心が変わらない)、(3)医師および患者ともに副作用でないかと思うが確信できない場合、(4)医師および患者ともに治療薬の適正量がこの量だと確信できない場合、とした5)。除外基準としては、(1)病状が自然緩解したり、また急性増悪などによって不安定なもの、(2)反復して受診できないもの、とした。これらの基準を満たし、この調査の趣旨を理解し同意の得られたものを対象とした。
 治療法の選択基準は、(1)治療の効果が早期に発現するもの(効果が発現するまでの時間が推定できるもの)、(2)治療効果が中止により速やかに消失するもの(効果が消失する時間が推定できるもの)、とした5)。治療期間は任意とした。治療法の割付は、選択された複数の治療法を、乱数表を用いて、その開始順序を割り付ける方法で行った。
 治療の評価は、患者が最も困っている症状のVisual Analogue Scale(VAS)スコアを用いた。評価の解析は、t-testを行い、有意水準はp=0.05とした。評価基準は、Guyatt D.らが報告したもの6)に準拠した(表1)。効果の判定は、Beneficial(有効)、Harmful(有害)、Neutral(差なし)、Beneficial Trend(有効傾向)、Harmful Trend(有害傾向)、いずれにも属さないものの6段階評価とした。

 

 

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