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(1)ケアマネジメントの守備範囲
     同一の対象者に対して介護保険に基づくサービスと市町村独自の福祉サービスというサービス提供の二元化が起こることが予想され、市町村としては総合的なケアマネジメントを行うための仕組みが必要との認識をもっている。
     そのため、一体的・総合的なサービスを的確かつ迅速・柔軟に提供するために、統合したケアプランの作成(関係者間での調整)の他、常に要介護者及び介護者のニーズと状態や状況の変化を把握するとともに、それぞれのサービス提供事業者を統括し、連携させて、要介護者及び介護者の視点でサービスの提供を指揮しなければならない。

(2)ケアマネジメントの主な機能
     ケアマネジメントに求められる主な機能を以下に示す。

    ?@潜在的な介護支援のニーズを発見する。

    ?A緊急対応を含め、寄せられた相談に的確かつ迅速・柔軟に対応し、問題を解決する。

    ?B要介護者及び要介護者を抱える家庭に対する「精神的な支え」や「日常生活の指導」等を恒常的に担う。

    ?C要介護者及び介護者が抱えている問題を解決するのに最適なサービスの組合せや量・タイミング(ケアプラン)を導き出し、提供する各種のサービスを調整する。

    ?D介護保険から除外される要介護者や対象外のサービスも、介護保険の枠を越えて総合的にマネジメントを行う。

    ?E要介護状態の予防を含めた健康維持のためのサービス、並びに医療機関との連携により、サービスの適正化を図る。

    ?Fケアプランに基づいて統合サービス実施計画を展開し、要介護者及び介護者とサービス提供事業者とのスケジュール調整を行う。

    ?G情報の連携を確立維持しサービス活動を指揮することにより、各サービス提供事業者により提供される各サービス、並びにボランティアや地域組織の活動を連携させ「一体的・総合的なサービス」にする。

    ?H要介護者及び介護者の状態や状況等を常時的確に把握し、変化や問題に各サービスを的確かつ迅速・柔軟に対応させる。

    ?Iサービスの実施状況を確認し、サービス供給量の適正化を図るとともに、サービスの質を維持向上させる。

    ?Jサービス結果を評価し、提供サービスの有効性を判断して、サービスの組合せや量・タイミングを改善する。

    ?Kボランティア活動や地域活動を支援するとともに、サービス事業者が提供するサービスとの調整を行う。

 

 

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