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2−2 国分株式会社

 国分株式会社(以下、国分)では以前から内部で所有、運用してきた汎用機を平成10年5月からアウトソーシングしており、以下にその事例を示す。なお、国分ではCSS等のアウトソーシングも行っているが、本調査では汎用機のアウトソーシングを中心に整理することとする。

(1) 国分の概要

 国分は酒類、食品等を取り扱う卸売業であり、創業は1712年に遡る歴史の古い企業である。従業員は約1,800人で、1997年12月期の売上高は8,584億円となっている。現在、本社はコア・コンビタンスである卸売業に特化する形で分社化を進めており、子会社には食品等の製品開発を行う国分フーズ(株)、コンビニエンスストアーを展開する国分グローサーズチェーン(株)等がある。
 国分内の情報システムを所管するのは「システム推進担当」という部署であり、職員数は約70人で、職員はシステム開発等も行っている。システム推進担当内には、70人の職員に加え、ベンダーからの派遣社員が35人程度おり、10人が汎用機及びCSSの開発、5人がオペレーター、20人が子会社用汎用情報システム専門の開発・運用に関する業務を行っている。

(2) 情報化の現状と今後の展開

 1965年から汎用機による情報システムを導入しており、現在も会計、人事、受発注、販売管理等の基幹系システムは汎用機で処理している。国分の情報システムでは約22万の商品、1万以上の顧客口座、約3千の仕入先という膨大な情報量を処理しており、帳票等の変更案件も約2500件/年もある。
 近年の情報システムの機能拡大や、ダウンサイジングに伴い、CSSの活用も行っており、CSSにより構築しているシステムには、量販店対応物流システム、データウェアハウス、収益管理システム等がある。
 このようなシステムに接続するパソコンは現在約1,300台(職員約1,800人中、約1,500人がホワイトカラー)であるが、OSはMS-DOS、Windows3.1、Windows95が混在しており、近日中に統合する方向で整備を進めている。
 このほか、関連会社に関する情報システムとして、地方子会社をネットワーク化している汎用情報システム「WING2」、コンビニエンスストアーの業務処理を行う「CVSチェーンシステム」等の情報システムを導入している。
 現在、イントラネットによる営業支援システムの開発を進めており、1999年に稼働する予定である。これはきめ細かな商品属性を盛り込んだデータベースを構築し、1台のパソコンで商品検索や、棚割・販売促進の提案を可能にするシステムであり、営業担当者の生産性向上とリテールサポートを目的としている。また、データウェアハウス等との連携も想定されている。

 

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