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(4) 情報システム部門の人件費
 
 3団体を比較すると、団体Bのコストが最も大きくなっている。これは、団体Bがユーザー・サポート等を情報システム部門で対応するということを基本方針としているためであり、他方、各課にパソコン・リーダーを置き、ユーザーにサポートを移管している団体Aではユーザー・サポート費が小さくなっている。午一ザーへのサポート移管に関しては、情報システム部門の人件費削減に寄与する反面、ユーザー部門の人件費が大きくなるので、一概にどちらが良いとは言えない。
 また、団体Cではユーザーが直接ベンダーに問い合わせる場合も多く、これによりユーザー・サポート費が団体Bと比較して小さくなっていると考えられる。また、団体Bでは簡易なシステム開発やオペレーションも情報システム部門で行っており、この点がすべてを外部に委託している団体Cと異なる。団体Bにおいてシステム開発やオペレーションに要しているコストは、団体Cの外部委託費の団体Bに比較した増分より少なく、オペレーション等をすべて委託することが必ずしも効率的でないことがうかがえる。

(5) ユーザー部門の人件費

 ユーザー部門の人件費に関しては業務アプリケーションの有無による差はほとんど発生していないが、総コスト同様、団体Cのコストが最も大きくなっている。団体Cのコストが大きい要因は、ユーザーによる開発・オペレーションの作業がほかの地方公共団体と比較して多く発生していることによるもので、これらの作業の省力化や外部への委託等が考えられる。
 一方、団体BにおいてはFUTZファクタがほかの地方公共団体と比較して多く、コスト増加の要因となっている。団体Bユーザーからのアンケート調査には、50時間以上/月をFUTZファクタに割いているという回答もあり、ある程度利用を規制することも必要であると考えられる。
 また、サポートにおけるユーザー側のコストは大きな違いが見られず、サポートをユーザーに移管している団体Aと情報システム部門でサポートしている団体Bにおいても大きな違いがない。もし、情報システム部門でユーザー・サポートを行うという方針で運用管理を行っていても、ピア・サポート等がある程度発生するのであれば、ユーザーにサポートを移管したほうが効率的であるとも考えられる。

 

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