1−2 ユーザー部門における問題点
情報化の進展に伴い、ユーザー部門において発生する問題点を以下に示す。
(1) ユーザーの業務停滞
情報システムの導入はユーザーの業務処理の効率化等の効果をもたらす反面、情報システムヘの依存度が高くなり、情報システムがトラブルにより停止した場合、業務の遂行が困難になる恐れがある。
したがって、システムの停止等が頻繁に起こり、また、その復旧に時間がかかるようであれば、情報システムが逆にユーザーの業務に支障を来すこととなる。
また、ユーザー間のサポートも業務の停滞に結びつく。情報システムを利用するに当たり、ユーザーが問題に直面した場合、必ずしも情報システム部門に問い合わせるとは限らない。
自分でマニュアル等を読んで問題に対処するセルフ・サポートや、パソコン等に詳しい同僚に聞くピア・サポート等も多く行われており、これにより本来の業務が停滞する。
特にピア・サポートは気心知れた同僚に頼むことからユーザーの利用も多いと予想されるが、この場合、問題を抱えているユーザーだけでなく、サポートする同僚の業務も停滞することになる。
このほか、業務停滞の要因としてFUTZファクタというものがある。FUTZとは「時間を浪費する」という意味のユダヤ語であり、FUTZファクタとは本来の業務に関係ないものへの情報システム利用を指し、具体的には、コンピュータゲームや私的な文書作成等がそれである。
FUTZファクタは情報システムやコンピュータに慣れるための手段としてすべてが無駄とは言えないが、過度に多い場合は業務の停滞に結びつく。
(2) 情報システムの利用停滞
情報システムを導入しても、コンピュータの操作を覚えることや従来の仕組みを変えることに抵抗を感じている人が組織内にいる場合が少なくない。
情報システムのアプリケーションには全員の利用があってこそ機能するものもあり、このような人達の情報システムの利用停滞が組織全体の効率化を阻害することもありえる。
前ページ 目次へ 次ページ
|