これを実現する高度情報化における手段として、基盤的整備(イントラネットの構築、パソコンの1人1台配備)と利用施策(電子メールの活用、各所属・個人ごとのWebページの活用)を導入しました。
基盤を整備するうえで、
(1).局課などの業務が密接に関連しているグループ単位に導入し順次拡大を図る、
(2).できるだけ早期に全職員に導入を図る、
(3).簡単な技術から導入を図る、(4).活用の仕方に応じてシステムアップを図る、
(5).初期の導入コストは極力押さえる、ことが留意点です。
規模の拡大が容易という特性を活かし、「まず始めること」に留意して、庁内各組織や職員のリテラシーの成熟に合わせて順次規模と質の拡大を行うこととしました。
電子メールの活用やWebページの活用等の利用施策は、「まず使い始めること」により、時間・空間・組織にとらわれないコミュニケーションや情報の流通と共有を体験することになります。データベースやメディアとしての可能性を発見し、その情報提供の対象を市役所内部から市民へと向けたとき、広報・広聴・情報公開等行政活動における市民との新しいコミュニケーションの手段として利用することが可能となり、組織に内在する問題の解決と合わせ、市民が必要とする情報を即座に入手できる環境整備や市民との良好・円滑な関係の形成という市民満足を目指した行政サービスの高度化につながっていきます。
3−4 イントラネットの利用効果と推進における問題点
情報化というものは「個人の能力」を拡大するものであり、定量的な効果測定にはなじまないものです。そこで利用効果を推量するものとして、利用者の状況を紹介します。
実際に使いはじめた職員は、会議の開催連絡、事務連絡、日程調整、業務に関する報告・連絡、各種照会文書、行事計画、会議出席の事前打ち合わせ等日常業務に電子メールを活用しています。「照会・要望等、相手が多忙であるため電話で相手の作業を中断させるのは控えたいが、こちらの立場としても必要なことは伝えておかなければならない、という事項について威力を発揮している。」とそのメリットを答えます。
また、ある事業所では、相互自助のもと職員ひとりひとりが自分のWebページを作り、日常の業務経験等の共有を始めています。この職場の職員は「とりあえず、過去どんな仕事をしてきたのか、今どんな仕事しているのか、これからどんな仕事をしようとしているのかを心の思いつくままに入力する。自分のことを書くだけで色々な事を考えさせられ、仕事に対してどのような意識をもっているのか自問自答できる。」として「個人のWebページの内容を共有することで、誰々さんはこんな技術をもっている、このことについてはよく知っている、こういう意識で仕事している、と言うことがよく分かる。情報化と言う考え方で今までの仕事を見つめ直したら、また違った物が見えてきました。」と答えてくれました。
前ページ 目次へ 次ページ
|
|