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(5)クライアントコストの低減
 イントラネットのクライアント側は、標準的な規約に基づいた情報を表示する「Webブラウザ」を用いる。その代表的なものとして「Netscape Navigator」と「Internet Explorer」があげられるが、利用者は、これらのソフトウェアを無料で手に入れることができる。Webブラウザは、主要なオペレーティングシステムに対応可しているため、イントラネットを利用する際に、クライアントマシンに高価なソフトウェアを導入する必要はない。

(6)クライアントメンテナンスの軽減
 イントラネットのクライアント側では、基本的にはWebブラウザが稼動するだけでよく、クライアントのOSの違いを問わないことから、OSの違いに応じたアプリケーションの開発の必要もなくなる。さらに、システムのバージョンアップなどによるクライアントソフトのメンテナンスも不要となるため、コストだけでなく作業面の負担も軽減できる。

1−5 イントラネットの課題
 イントラネットには、利用面や費用面などの点で多くのメリットがあるが、その一方で、問題点や課題も存在する。
 ここでは、イントラネットの問題点や課題について簡単に述べる。

(1)セキュリティ
 セキュリティは、イントラネットの重要な課題の一つとしてあげられる。前述のとおり、イントラネットはインターネットとシームレスに接続することができる。しかし、シームレスであるが故に、外部からの進入も比較的容易であることから、今までのネットワークと比較した場合、コンピュータ犯罪が発生する可能性が高い。
 このため、ファイアウォールの利用や情報の暗号化など、セキュリティに関して十分な処置を施す必要がある。

(2)処理速度
 情報の処理速度は、快適にシステムを利用する上での重要要素である。しかしイントラネットでは、主に処理をWebサーバで行うため、アクセスが集中した場合には、処理速度が遅くなる可能性がある。
 このため、アプリケーションを開発するための言語や技術、LAN環境の高速化など、処理速度を上げるための考慮が必要となる。

 

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