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付録1:血圧測定の実施に関する注意

1.装置

a)カフ(駆血帯)
 ゴム嚢(bladder)は上腕全体に均等に圧が加わるように,ほぼ患者の上腕を一周する長さが適当である。サイズは一般人では12×23?,肥満者では15×31?,著しい肥満者には18×36-50?を用いる(大腿用)。もし短いカフしかないときには,少なくともカフの中央が動脈上にくるようにする。
 カフ幅は長さほど重要ではないが,上腕周長の少なくとも40%の長さが必要である。

b)ゴム球と弁(bulb&valve)
 ゴム球は5秒以内に急速に収縮期圧より30?Hg高いレベルまで昇圧でき,かつそのレベルを減圧開始まで保持できなければならない。減圧は3?Hg/秒,あるいは,拍で行う。もしこの操作がスムーズに行えないときには弁に問題があるので,取り替えるようにする。

c)圧力計(マノメーター)
 水銀マノメー夕ーの場合には水銀柱の上縁が加圧前にゼロレベルにあるよう調節し,加圧によって敏感に動くことを確かめる。
 アネロイド・マノメーターでは針先がゼロレベルにあり,すべての圧領域で正確に作動することを水銀マノメーターによってあらかじめチェックしておく。

d)電子血圧計
 水銀マノメーターを用いて正確性をチェックすることが望ましいが,それができなければ対側の血圧を水銀マノメー夕ーで同時測定して確かめる。

 

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