図13血管内圧の圧勾配に関する模式図
あるいは収縮期圧(Ps),一般には最高血圧と呼ばれ,そして収縮期直前のもっと低い圧を拡張期圧(Pd),あるいは最低血圧と呼んでいる(図15)。このほかに,平均血圧(Pm)という表現が用いられるが,これには算術的平均血圧と理論的平均血圧があり,前者は,
Ps-Pd
Pm=Pd ―――
+3
で表される(図16)。Ps-Pdは脈圧と呼ばれる。そして,理論的な平均血圧は,圧脈波のパターンの面積から求められ,積分をした値を時間の長さで割ったものが平均圧(高さ)として表される(図16)。
このように血圧の表現には,最高血圧,最低血圧,そして平均血圧の三つがある。最高血圧は,心臓が収縮しているときに到達する最高の血圧という意味で収縮期圧,それから最低血圧は拡張期のいちばん低いところの圧ということで拡張期圧とも呼ばれる。これらの用語は最高血圧といったり収縮期圧といったり,まちまちで一定していないので,その意味するところを正しく理解していれば,いずれを用いてもよい。
3.大血管のポンプ機能と血圧
心臓が収縮するたびに血液が駆出されるが,もし血管がガラス管のように硬いものであれば,一回血液が出ると,管内の圧はPascalの法則によって同様の拍動圧を示し,途切れ途切れの圧変動となって,これでは脳循環が維持できずに脳貧血を起こしてしまう(図17)。
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