図12流速と粘度の関係(1秒当たり)
これは毛細管領域に相当しており,血管断面積が広くなって,流れが遅く,側圧が上昇することは,物質交換にとって有利である。
これをもう少し簡単にしたものが図14で,動脈→細動脈→毛細血管→細静脈→静脈というように,圧下降の状態が示されている。実線で示したのが正常な状態で,もし細動脈が拡張すると,上向きの矢印で示したように細動脈や毛細管領域の血圧は上昇し,反対に,太い動脈系の圧は上がって,全体としての勾配はゆるやかになる。これに対して細動脈領域での抵抗が高まると,下向きの矢印で示すように急峻な圧勾配のプロフィールとなる。模式図は,血圧の高い場合や低い場合,あるいは血管拡張薬で血管が拡張している場合や,昇圧薬で血圧が収縮している場合の圧プロフィールを理解する上に役立つ。
2.血圧の表現
血管の内圧である血圧は,定常圧ではなく,心臓の拍動に応じて変化する拍動圧になっている。この内圧の変動パターンで収縮期に生じる最大の圧がピーク圧,
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