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図14圧勾配の模式図

それでは困るので,生体の場合には血管が伸展して心臓から駆出された血液の一部を血管内へ貯え,心臓の拡張期に,伸展した大血管がもとへ戻るさい,末梢へ血液を送り出し,このような機序によって血流の連続性が保たれる。結局,心臓の収縮にさいして間欠的に生じる途切れ途切れの血流が持続流に変えられることになり,これを大血管系のポンプ機能と呼ぶ。したがって,大動脈は単なる導管ではなくて,断続流を持続流に変えるという重要な役割をもっている。心臓の中で生じる圧は,図17のように末梢血管では変形され,これをdampingと呼ぶ。
 血管の伸展性は,弾性によって表されるが,まず大きな血管の構造をみると(図18),弾性線維と膠原線維が主体で,筋肉は少ない。

 

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