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POSとは

 

 POS(Problem Oriented System)というのは,問題解決に重きをおいた診療記録のことです。POSによって医師がどのように患者の病歴を記録し,看護婦あるいはコメディカルが記録するかが問われています。Weedがこのシステムを開発してからすでに30年,私が日本に紹介してからでも20年以上もたっています。Weedは医学生の教育のためにこのシステムを開発しました。これを使って教育するとそれがすなわち研究にもなり,患者の問題解決が合理的・効率的にされると述べています。最初は医師にやってもらいましたが,Dr.Hurstが看護教育にも有効だというので看護への導入を図りました。日本では医師の間よりも看護の分野にこのシステムが普及しました。

 1970年代初頭,日本各地に新設医科大学ができました。その時,日本ではいわゆる医師の書く診療記録がまとまりのない感想文のようなものなのでPOS方式で記載することを勧め,いくつかの大学ではこの方式でカルテを書くようになりました。しかし,それ以前に設立された大学,とくに旧帝国大学はまったく関心を示してはくれませんでした。しかし,徐々にではありますがこのシステムによる記載法が広がり,それにつれて記載の仕方や方法について論議されるようになりました。

 しかし,Dr.Weedがこのシステムを開発してからすでに30年が経過しています。その間,アメリカの医療事情は先にお話ししたように想像も及ばないほど大きな変革を遂げました。

 

 

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