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  また,日本看護協会では,1995年から専門看護師の認定制度を設けました。これらの動きは,いずれもレベルの高いナースが必要とされる要望に応えるためです。

 アメリカでナースプラクテショナーというある程度診断もできる能力を備えたナースが生まれたのは1965年のことでした。彼女たちは,最初はプライマリ・ケアの分野で活動していましたが次第に活動の領域を広げ,いまではヘルスケアの全領域で働いています。

 こういう状況も,医師の専門医指向が進みプライマリ・ケアを担う一般医が不足してきたことが直接的な原因とされていますが,他面においては医師に払う医療費よりナースに払う費用のほうが安く上がるという経済的な事情も無視することはできませんでした。

 現時点では,また事情が変わってきています。

 最初にお話ししたベス・イスラエル・ディコネス・メディカルセンターでは,看護の二極分化が進んでいます。つまり,一日に何人も入院してきて,そしてその日のうちに何人もが退院していくという目まぐるしい日常業務の中で,密度の濃いナーシングが要求される一方,ナーシングに付随して生ずるさまざまな業務これを雑事といっては語弊があるかもしれませんがは極力補助者にまかせるのです。日本のように入院期間が3〜4週間,またはそれ以上の長さになっていると,その患者の回復期の看護にはある程度手間を省くことが可能ですが,患者の回転が早いと普通病棟でもICUやCCUのように看護婦は超多忙となります。

 

 

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