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おわりに

 生涯の最後におとずれる緩和ケア病棟での「3ヵ月、1ヵ月、1週間」 「生まれてきてよかった」 「私の人生は意味があった」という言葉を夫、妻、子供達や孫、友人に残すことができれば、残された人達は「意味があった」ということはどういうことかということをめいめいが心に受け止めて、では、自分達も意味のある生き方を探求することになるのではないかと思うのです、と日野原先生は書かれています。
 死は偶然ではないこと、死はあたり前のことであること、生あるものはすべて死すこと。そして、そうであるが故に生を大切にしなければいけないこと、今を精一杯生きること。看護する私達も死をいかに受け止めて生活するか、心にとめていかないといけないと思いました。
 実習を通しての症状コントロールやその他の研修の結果、いろいろと学んだことが自分への活力となり、回りの人々の笑顔が見られる職場や社会になることを願っています。多様化する疾患、複雑な家族関係、種々の症状コントロール、精神的かつ霊的なアプローチ、コミュニケーション等の学びをし、その上に実習に行き、種々のホスピス、緩和ケア病棟の研修報告とたくさんの学びを得たと思います。
 症状はその人本人のみ、痛いことは痛いと医者、看護婦だけでなく、できるだけたくさんのチームメンバーで大いに社会資源も活用し、その人がその人らしさを失うことなく、生きぬく手助けができれば看護する私達も笑顔で送りだすことができます。そのためにも技術、知識等の研鑽をして、自分自身も豊かに生活するよう心がけたいと思います。
 この研修の実りを持ち帰り、いろいろの場で報告をし、できれば在宅ホスピスの活動の源にしていきたいと思います。
 2ヵ月の研修を無事終えることができたことを感謝し、研修のメンバー、諸先生方、実習の場を与えて下さった信愛病院の皆様方にお礼を申し上げます。この実習に行けたことは大きな学びでした。この研修に力を注いで下さった方々にもお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。喜びのうちに報告を終わります。最後に、小田式子先生、金子祐子先生おつかれ様でした。本当にありがとうございました。

 

参考資料

 各諸先生方の講義資料及び実習病院パンフレットや資料を用いました。

 

参考文献

 ・ターミナルケア・マニュアル第3版淀川キリスト教病院ホスピス編
 ・ターミナルケア 1996年特集 ホスピス緩和ケア病棟の質そして緩和ケアチーム(高宮有介)
 ・緩和ケア、癒しの看護「下巻」 日本総合研究所教育グループ編
 ・サイコオンコロジー「がん医療における心の医学」内富庸介編集
 ・死ぬ瞬間 E・キューブラー・ロス 鈴木晶訳「死とその過程について」
 ・命をみつめて 日野原重明著
 ・その時そばにいて 寺本松野著「死の看護をめぐる論考集」
 ・疼痛と告知 季羽倭文子監修、ホスピスケア研究会編
 ・がん電話相談 季羽倭文子編著「家族が困ったとき」
 ・死の看護事例集 日本看護協会編「看護は何をなしうるか、どんな役割を果たせばよいか」
 ・ホスピス運動の創始者シシリーソンダース シャリー・ドウブレイ 若林一美他訳
 ・みんなのターミナルケア 徳永進著「看護婦さんの便りから」
 ・ターミナルケア 1998年6月号別冊 「ホスピス緩和ケア白書」ターミナルケア編集委員会

 

 

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