その人らしさを失うことなく生きる手助けを
医療法人弘仁会朝永病院
大串照子
はじめに
緩和ケア病棟が開設されてから3年目、これからの緩和ケアをどのように質を高めるか、症状コントロールなどの心体的ケアの質、患者・家族の精神的ケアの質、在宅を含めた社会的なコーディネートの質、スピリチュアルケア(SpiritualCare)も重要である。これらの問題解決を少しでもできて、緩和ケア病棟を利用される患者・家族それを取り囲むチーム医療者及び多種多様のボランティア、MSW、他の専門職の人々の笑顔ある毎日があれば、共に生きてゆき、死ぬまでその人らしく生きぬくことができるのではないかと思う。
そのためには、実際に末期の苦しみを抱える患者さんのためにも緩和ケアに関わる医療者がスピリチュアルケアも含めて、緩和ケアがどうあるべきかを知っていて、現状で足りない部分はあっても将来をみすえて進んでいかないといけないと思う。
特に消化器、外科以外の腫瘍学、複雑化した家族の諸問題対策を多方面から学ぶことができればとこの研修会に参加した。たくさんの実りを持ち帰ることができればいいのではないかと思っています。
研修したこと
1)生命倫理について
(1)臨床倫理学
医療行為の倫理原則として、医療行為を行う場合は、患者の良い状態を目指してQOLを高め、充実した人生を送るように援助し、患者と共同して医療行為をし、いつも側に居ること、患者対医療者、また医療者対家族等のジレンマでも問題を整理することである。
?患者の益になることをする。
?患者の害となることはしない。
?患者の意思尊重?正義と公平(医療資源の配分)
緩和を意図する治療の現場でのセディーションの問題に対しても注意深く条件を考え合わせて、できるかぎり患者の意思を聞いておくことが大切である。
(2)看護倫理
看護婦の基本的責任
?健康の増進
?疾病の予防
?健康の回復
?苦痛の緩和
?看護を受ける人には差別がない
?人の生命の尊厳と権利の尊重
看護倫理の原則
?看護を必要とする人に対して存在し、提供するときは各個人の価値観、習慣、精神的な信念が尊重されるような環境を助成する。
?知り得た情報の秘密を守り、正しい判断力を用いて看護する。
?業務に関しては継続的学習により能力を維持し、個人の責任を有し、特定の範囲内で 可能な限りの看護を維持し責任を引き受けたり、他へ委譲する場合各人の能力に関して正しい判断を行う。
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