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実習目標

 実習施設:藤田保健衛生大学七栗サナトリウム緩和ケア病棟
(1)実習施設の概要を理解し、その中での緩和ケア病棟の位置・役割を学ぶ。
(2)実際のスタッフの動きから、患者とのかかわり・チームアプローチ法を学ぶ。
 ?問題が生じた患者に対してとのようにかかわっているのか。
 ?コミュニケーンョン 患者ケアの実際においての工夫している点、特に注意している点は何か。
 ?患者家族とのかかわり・声のかけかたについて。
(3)チーム医療としての他部門との連携について学ぶ。
(4)症状コントロールそのものにおいて、当病棟では行っていないことや工夫点があればその方法を学ぶ。

 

実習を通して

実習施設について

 大学病院における緩和ケア病棟の成り立ち、三重県という地域性を含んだ存在であることなど理解できた。

 

患者 家族とのかかわりについて

 「父親の役割も終わったし、生きる目標もない」という患者がいた。看護婦は患者の希望を可能にし、ウォッシュレットの取り付けを行えるよう手配した。また、父親の役割は続くこと、夫としての役割もあることなど提案し、さらには精神的なかかわりがもてていた。
 看護の工夫においては、ストレッチや指圧など行っていた。また、庭ではトマト、ピーマン、ハーブなとを育て患者さんとともに楽しんでいた。患者 家族からの差し入れは食事会などを行い、患者さんたちと楽しむとのことだった。
 月1回の割合で「家族の会」というものが行われている。家族の息抜きの場にもなっており、皆楽しんでいる様子たった。
 このように、さまざまな企画がなされ気配りが感じられた。その施設にあった方法で行っていくことが長続きするこつなのではないだろうか。自分の施設でも参考にしていきたい。

 

他部門との連携について

 ここでは運動療法とのかかわりが特徴的だった。残存機能を最大に生かすための援助をされていた。行っているときの患者さんの表情は真剣で生き生きしており、とても有効と感じた。まさに、「希望」を感じられる時間であると思う。そして、療法士にとって、緩和ケアの患者だからといって特別な気遣いはないという返事にも温かいものを感じた。

 

症状コントロールについて

 当病棟で行っていないものは、静脈内リサーハーであった。入院なとがしやすいことなとが利点であった。しかし、病棟を移って行うなとのリスクを伴うので良い面ばかりとはいえない。また、持続皮下注入をDIBカテーテルで行っており、コンパクトではあるが、レスキュー対応は別なルートから行うことになるという欠点がある。しかし、これもまた地域性など考えると簡便なのかもしれない。状況に応じた使い分けができることが望ましいのだと思う。

 

終わりに

 今回、2ヵ月間にわたり研修に臨んできた。4つの目標 課題をもち自分なりに学んできた。しかし、それらすべてにおいて100%達成できたかというと、そうとは言い切れない。もちろん、研修において学び得るものはほぼ学んだつもりだが、これらを実際に現場で活用してこそ結果が見えてくるのだと思う。そのためにはここで終わりにするのではなく、ここでの学びを継続していくことが必要なのだと思う。そして、自分の中できちんと消化できてから皆に伝えていきたい。
 緩和ケアは、まだまだ未発達な分野であり奥が深い。そして、今後新しいことがどんどん増えていくと思われる。そのようなことからも、私たちは常に学ぶ姿勢を怠ることなく努力を重ねなければならないと思う。
 このような機会を与えてくださった教務の方々、そして講師の皆様に感謝いたします。

 

 

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