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白衣のプロをめざして

済生会宇都宮病院緩和ケア病棟
岡 千恵子

 

はじめに

 私の勤務する済生会宇都宮病院緩和ケア病棟は、平成8年5月開設、同年11月承認の院内併設型施設である。今年で3年目を迎えたが、まだまだ試行錯誤を重ねる毎日である。そして、今年は病棟独自のマニュアル作りが目標 課題の1つである。私個人にとっても2年間の振り返りとともに基礎を固めること、新たな知識を得ることが課題であった。
 そのような中、この研修の機会が得られ参加することができたので、ここに報告する。

 

研修目標と課題

(1)緩和医療の基礎を再確認し修得する。
(2)症状コントロールの知識を深め、実践能力を身につける(スピリチュアルケアの実際を学ぶ)。
(3)家族ケアを学ぶ(家族への心理的アプローチとサポートの方法を学ぶ)。
(4)コミュニケーション能力を高める。

 

研修(講義)を通して 〜目標の達成度から〜

緩和ケアについて

 「緩和ケア」とは、治癒を目的とした治療に反応しなくなった疾患をもつ患者に対して行われる積極的で全人的な医療ケアをいう。主に行われるケアの内容は次の通りである。
 ?痛みのマネジメント
 ?痛み以外の諸症状のマネジメント
 ?精神的心理的な苦痛の緩和
 ?社会的問題の解決のための援助
 ?霊的問題の解決のための援助
そして、次の原則を3本柱としている。
 ・適切な症状マネジメント
 ・コミュニケーション
 ・家族への援助
 また、WHOの定める緩和医療の理念は、次の6点に集約される。
 ?生きることを尊重し、誰にも例外なく訪れることとして、死にゆく過程にも敬意をはらう。
 ?死を早めることにも死を遅らせることにも手を貸さない。
 ?痛みのコントロールと同時に、痛み以外の苦しい諸症状のコントロールを行う。
 ?心理的なケアや霊的な面のケアも行う。
 ?死が訪れるまで、患者が積極的に生きていけるように支援する体制をとる。
 ?患者が病気で苦しんでいる間も、患者と死別した後も、家族の苦難への対処を支援する体制をとる。
 さらに、症状コントロールにおいては「1Oの基本原則」について学んだが、まずは患者の病態を把握し、問題を明確にすること、そしてプラン実施に至るが、その後も常に治療方針の見直しを重ねていくことが大切であると感じた。
 そこで、看護婦に要求されることは、がん看護に関する知識をもつこと、症状コントロールについての知識をもつこと、コミュニケーションの技術をもつこと、そして、相手を受け入れられる柔軟性があることの4点である。現在、日本において緩和医療は発展の途にあり、今後普及していく中で「緩和ケアナース」という専門性が問われるようになるのではないだろうか。そして緩和ケア病棟で働く以上、それに応えるべく知識と能力とを高めることが今の私たちに与えられた新たな課題であると考える。

 

 

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