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●スライド1


 これは、宇宙からみた東京首都圏の中心部分です。三浦半島というのは、神奈川県の横浜のちょっと南ですね。これが三浦半島です。この三浦半島の先端には城ケ島というちっちゃい島があるんですけれども、その城ケ島から少し北に上がったこのあたりに小網代と呼ばれる谷があります。

●スライド2


 これは、台地の上から見た、小網代の谷の、初春の光景です。ご覧のように木が枯れています。主体は雑木林ということです。中に、もうオオシマザクラという山桜が咲いているところです。谷の下に干潟が見えまして、干潟の向こうに海が見える。つまり、谷が一つ緑に覆われて、その下に干潟があって、海、小網代湾というリアス式の湾が続く、そういう地形です。

●スライド3


 これは、ほぼ同じ場所から見た夏の光景です。すっかり緑濃くなっていますが、下にやはり干潟が見えて、海があります。

●スライド4


 模型で示すとこんな形になります。中央に大きな谷が一つあります。南側にちっちゃな谷が一つ付いています。北側にももう一つ付いています。この三つの谷を全体で小網代の谷と私たちは呼んできたんですけれども、この中央の谷部分の縁のところが、保全対象となる七十数ヘクタールの規模と考えてください。川は、浦野川という川ですけれども、長さが源流から河口までちょうど1200メートルほど。早足で歩けば、それこそ20分とか30分で、湿地ですけれども、辿れちゃう、短い川です。谷の低地は湿地で覆われていまして、斜面、尾根は森に覆われています。中に、大きな、例えば畑だとか道路だとか民家というのはありません。縁には、もちろん、こういうふうに宅地化してるところがありますし、河口域に二つほど別荘がありまずけれども、流域、集水域といいますけど、浦野川の集水域全域がほぼ半自然状態、中に人工物がない、完結した自然状態の流域、集水域生態系です。こういう生態系はとても珍しくて、関東・東海地方では、空中写真による調査によると、ここ1個所ですし、日本全国でも多分かなり珍しいランドスケープ、生態系なんだろうと思います。

●スライド5


谷の中には川が流れています。小さな川ですから、水があまりないときは情けない流れになりますけど、1年中水がきれることはありません。1200メートル川が流れてきて、周りが湿地。ハンノキの林があったり、ジャヤナギの林があったり、ミズキの林があったりと、そういう状況が続いて、河口に近いところで大きな湿地になります。

 

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