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自然の中からいろいろと関心をもったりする機会というものがないだけに、そのことが学校での環境教育をある面で非常に難しくしてる面があります。そういう面で、家庭におけるそういった充実というものが必要です。

 それから、行政における環境学習のための活動の場、機会を提供する。あるいは、さまざまな団体への支援、それから、やはり社会教育なんかにおける指導者の養成というのが非常に大事になってきます。それから、どこでどういう、そういった催しがやってるかという組織的な情報の提供、それから基盤整備のための施策、そういったものがこれから非常に重要になってくるかと思います。

 それから、若干似てますけど、地域における自然体験活動の推進ということであります。これも、最近は環境庁なんかも非常に熱心で、そういう催しというものが非常にやられるようになってきましたし、子どももかなり積極的に参加するようになってきたかと、こう思っておりますけど、ますますその推進が求められます。

 それから、社会教育施設としての博物館とか少年自然の家とか、そういうようなところでの環境学習、そういう教室の実施。そういったところには、非常に専門家もいますので、そういう学校を離れた場での子どもたちの学習というものも非常に大事になってくるかと思います。

 それから、大学とか研究所主催の、子どもを対象にした環境セミナー、こういったものも非常に大事です。最近は、大学や研究所なんかも、昔のようにただアカデミックな中に閉じこもってなくて、特に昨今の子どもたちの理科離れとか科学技術離れといったようなものに対する対応で、かなり大学や研究所が主催して、子どもたちのそういった体験、科学体験学習といったようなものを盛んにするようになってきております。休みの長期休業なんかを使いまして、同じようなそういった環境セミナーの実施、あるいは国や地方公共団体主催の環境教育のいろんなフェアを実施しているというようなことであります。

 こういったことも盛んに最近、各地域において、地方自治体等も積極的になって行われていることが割合多いわけであります。最近各地域では、国際環境教育サミットとかいうふうな名前で、いろいろな国の子どもたちと一緒になって、環境について討論したり、発表したりしているようなケースもあります。こういうふうにして、これからますます家庭・地域社会との連携に立った環境教育という側面というのが、より一層重視されてくるかと思います。

 最後になりますけど、若干また学校に戻りますけれども、結局学校といっても、小学校や中学校や高等学校というふうな学校段階によって若干違いがありまずけれども、やはり先ほどの一番最初に、環境教育の狙いというところで少しお話しましたけれども、やはり学校における環境教育というのは、いろいろな教科とか、あるいは先ほどの総合的な学習の時間とか、あるいは特別活動とか、学校行事とか、いろいろな活動の場がありますけれども、そういうようなところを通して究極的にはどういうことを子どもたちに身につけさせるかという、そういうところで、いくつかここに挙げてあります。

 一つは、自然保護、環境保全、資源の有効利用について、積極的に関わる行動力、こういったものを身につけさせる必要があります。社会的態度とか、実践的行動力というか、そういうような言葉で言い表すことができます。いくら頭の中で知識として知っていても、それが実践的な態度に変わっていかないと、本当の意味での環境教育が実りあるものになったとは言えないわけでありまして、その辺がなかなかある面では難しい面ではありますけど、そういう社会的態度、実践的な行動力、こういったものに変容していくということ。これは非常に長い時間もかかるかもしれませんけれども、やはり狙いとして非常に大事ではないかと思っています。

 次が、順不同ですけれども、身近な地域や自然、あるいはもう少し子どもたちが大きくなった場合には地球環境というレベルですけど、そういったものについて、自ら問題を見つけたり、想像したり、考察できる力、考えるカ、そういう問題解決能力、そういう環境問題という、非常に複雑で総合的なそういった問題について自分の頭で考える、そういう問題解決能力というものをやはり身につけていくということが大事かと思います。

 それから、次に、体験的な学習を通して、身近な環境に見られる自然現象とか社会現象についてやはり関心をもっていく。ただ一時的にもつだけじゃなくて、そういったものをもち続けるということが大事です。なんといっても、

 

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