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あまり小学校段階から地球規模の環境問題といっても、なかなかその基礎的な勉強をしてるわけじゃありません。そういう面では、小学校段階では、もっと身近な、身の周りの、あるいは身近な環境について考えたり、積極的に関わろうとする態度、そういったようなものを育成する必要があり、また身近な地域や自然の中でいろいろと積極的に調べたりする、そういう体験的な活動というものを非常に重視する必要があります。また、そういう方向で改定が進んでおりますし、小学校の総合的な学習の時間なんかは、まさにそういう視点で学習活動がなされるかと思います。

 それに対して、中学校、高等学校ぐらいになりますと、だんだんその身近な環境から地球規模の環境という、そういう広がりをもっていきまして、そしてもう少しグローバルないろいろな調査とか、観測とか、あるいは最近ではかなり高等学校ぐらいになりますと、情報通信ネットワーク、インターネット等を活用しまして、いろいろな地域の学校と、環境について調べたことを情報交換したりして、情報の共有・交換、そういったものを行っているところも出てきております。また、外国の学校とも、環境について調べたことをインターネット等を通してお互いに調査・研究すると。そういうふうな、まさにそこには情報と環境と国際交流ですか、そういったものがもう一体となった学習、そういったものが教科ではなかなかできないんですけれども、先ほどの高等学校における総合的な学習の時間に最適なものが今生まれようとしております。そういう意味では、これからますます充実していくんではないかというふうに思っております。

 最後に新しい教育課程における環境教育ということについて、その総合的な学習の時間というようなことで、やはり、例えば地球環境問題といった場合の地球環境といった場合、例えばその地球というものについて知る、これはやはり学校の教科、例えば理科なら理科の中で地学という科目がありますけど、あるいはそういう分野がありますけれども、地学という分野の中で地球についてかなり詳しく勉強をするわけであります。そういう意味で言えば、やはりいくら環境教育といいながら、そして総合的なものであるといいながら、やはりその基はきちっとした教科の勉強、基礎的な勉強というのを、やはり初等中等教育段階ではやっておくということが大事であるわけであります。理科、あるいはその中の地学、そういうものを通して地球というものについてきちっと勉強する。あるいは、生物なんかを通して自然と環境との関わりについて、あるいは生物の多様性について知るとか、その他社会科学でもそうですし、そういう面で、やはり教科の基礎的な勉強をきちっとやっておくということは、これはもう言うまでもないことかと思います。

 それから、先ほども言いましたように、やはりこれからの子どもたちの自然体験とか社会体験、生活体験、そういったようなものをより豊富にしていくためには、やはり学校教育だけではどうしても限界があります。学校というのは、やはりやることもかなり決まっております。そういう面では、これからはますます地域社会の施設とか、あるいはそこでの人々と一緒になって学んでいくと。特に、完全学校週5日制というようなものがスタートしていくだけに、地域との連携といいますか、社会教育、あるいは家庭、そういったものの中で環境教育というものを見据えていくということが大事でありまして、学校という狭い枠の中だけで考えるということがなかなかこれから、それだけでは解決しないんではないかと思います。

 二、三枚の写り悪いかもしれませんけれども、OHPで少しお話したいと思います。

 最初のOHPには、環境教育の軸足というふうに書いてあります。これからの、その環境教育といった場合の、もともと教育という言葉そのものが、今まで、学校教育という学校だけに偏っておりましたけれども、先ほども言いましたように、家庭教育とか社会教育といった、学校以外の教育というものの連携というものが非常に大事になってきます。そういう意味で、環境教育そのものも、やはり学校だけじゃなくて、これから幅広く家庭・地域との連携の下に、子どもたちにトータルとして、その環境について関心をもったり、実践的な行動力、あるいは考え、判断する力を身につける必要があります。

 この場合、環境教育の軸足として、3次元の軸を考えました。一つは、一番上にありますように、やはり生涯学習社会における環境教育という視点が必要かと思います。一つの時系列、時間系列として見ていく。

 

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