そこで、政府は、補助金を出すわけです。1キロワットについて三十数万円。そうすると、3キロワットを付けて約100万円貰える。つまり220万円でいいのかと。しかし、月8万円になると元を取るのには二十数年間かかります。やはりなかなかインセンティブにはならないわけです。
もっと賢い方法がないかなというと、実はドイツのアーヘンという町が次のようなことをやってるんです。屋根で起きた電気は、電気料金の10倍の値段で買い上げましょうということなんです。1キロワット/アワー250円で買ってくれるわけですから、さっき25円で計算すると1ヵ月に8万円だったのが、その10倍ですから80万円です、1年間に。4年間ぐらいで元が取れるということになります。アーヘン方式というんです。
電力会社にその経費を負担させるのは、もちろんこれはおかしいわけで、それは税金でもって、ちゃんと。つまりその25円を250円で買うわけですから、225円分というのは、それは税金でちゃんと面倒を見るということがなくてはいけないわけです。例えばそういうことをやります。そうすると、おそらくここにいらっしゃる皆さま方のうちの半分ぐらいの方が屋根に付けると思うんです。そうすると、実は量産効果というのが働くんです。たくさんものを作ると安くなるわけです。そして、どんどん安くなって、専門家の話によると、150万円ぐらいまで下がるだろうというふうにいわれてます。150万ぐらいまで下がれば、これはもうますます屋根に取り付けようという人が増えるということなんです。ですから、例えばそういうふうな利口な対策をどんどんやっていきましょうということなんです。私が言いたいのは。
それから、1990年から95年までに、細かい正確な数字を申しますと、90年から95年のこの5年間に、二酸化炭素の排出量というのは、この日本ですけれども、この国の排出量というのは8.3%増えたんです。そして、こういうエネルギーとか、こういう二酸化炭素の排出というような話をするときには、次のような部門分けをするんです。産業部門と運輸部門と民生部門と。産業部門というのは、要するに製造業各社が工場でこういうエネルギーを使って二酸化炭素を出していると。それを産業部門だというとします。それから、運輸部門というのは、大体自動車とか電車です。もちろん電車は電気で走りますけれども、例えば電力をどれだけ使ったということになると、間接的に二酸化炭素を排出している。それも加え合わせるわけです。それから、民生というのが、これは何かといいますと、家庭と業務なんです。例えばこういうところで使ってる電気。デパート、それからホテルとか、そういうところで使ってるエネルギーです。例えば、ここで電気を使うということによって、間接的に、二酸化炭素をわれわれもここで排出しているということになるわけです。その3つに分けるわけです。
そうすると、全体のC02排出量を100とすると、48%ぐらいが産業用なんです。そして、23%ぐらいが運輸で、残りの29%ぐらいですか、それは民生なんです。そういうふうな割合になっているわけです。
ところで、先ほど申し上げました通り、90年から95年にかけて全体で8.3%増えたんだけれども、産業用というのは、景気が悪かったこともあって、ずうっと横這いだったんです。つまり、全然増えてない。ところが、民生用と運輸用というのは、それぞれ16%ずつ増えたんです。その結果、全体として8%強増えたということなんです。じゃあ、なんでそんなに増えたのかと。90年から95年。皆さん方、それは、胸に手を当てて考えていただきたいんですが、例えば自動車に関して、運輸に関していえば、3ナンバーの高級車とかレクリエーションヴィークルというやつがものすごく増えました。燃費効率の悪い車が。その結果、16%も二酸化炭素の排出量が増えたんです。
それから、家庭用、あるいは業務用というのがなんでこんなに増えたのかというと、90年から95年の5年間に、エアコンディショナーもやはり随分増えてるんです。例えば今まで1家に1台、例えば三つほど部屋のあるうちに1台しかエアコンディショナー付けてなかったのが、2台になったとか、3台になったとかというようなことで、エアコンディショナーがどんどん増えた。これが一つです。
それから、もう一つが、やはりいろんな家電製品が大型化しました。テレビも画面が大きくなったし、冷蔵庫も大きくなったと。それから、