ウシとか、あるいは稲作のやり方とか、そういうことを専門にしておりまして、本場のプロバンスのヒツジは一体どういうふうになっておるのかということをこの目で確かめたいという強い希望がございましたので、かみさんに引かれて、一緒に私もプロバンスまで繰り出したというわけでございます。うちの奥さんとしては、本物のヒツジが目の前に放牧されているので狂喜乱舞いたしまして近づいていったというわけでございます。
●たくさんのヒツジでございます。近づいていきますと、一斉に尻を向けます。あまり歓迎されてないということがわかりました。
●羊飼いの男かと思ったら、羊飼いのおばちゃんでございました。その前に座っているのが牧羊犬でございまして、このちっちゃなインディアという牧羊犬1匹で、たくさんのヒツジを右へやったり左へやったりというコントロールしてるというわけでございます。
●羊飼いの家とは一体どんな生活をしているんだろうかということで、彼女の家に連れていっていただきました。一番左がご主人でございますね。その右が長男、その後ろが長女です。
●ちょうど赤ちゃんが生まれました。お母さんヒツジがぺろぺろなめているところでございます。私、余談でございますけれども、おふくろが助産婦でございまして、新潟で91歳まで現役の助産婦をしていた女なんですけれども、出産シーンとなると、どうもおふくろのことを思い出しまして、すぐ写真に撮ってしまったというわけでございます。
●夕方になりまして、ヒツジを小屋に連れ帰るというシーンでございます。下の暗い部分にヒツジがずうっと小屋に帰るシーンを写したつもりなんですけれども、潰れてしまいました。大地にもヒツジ、空にもヒツジ雲という写真です。
●いよいよマノスクに近づいてまいりました。町に入るには大きな川を渡らなければいけません。ラ・デュランスという名前が書かれたプレートがありました。何か聞いたことがあるなあ。デュランス。ご年配の方は、デュランス川といえば、歌で思い出す方も多くいらっしゃるんじゃないでしょうか。昔、「河は呼んでいる」というフランス映画が大ヒットいたしました。日本人の中原美紗緒さんという歌手が、日本語版を歌いました。あの歌の冒頭に、「♪デュランス川の流れのように♪」というメロディーが大ヒットいたしましたけれども、あの冒頭に出てくる川がデュランス川で、これでございますね。
●実際、川べりに、橋から降りてみましたら、あまりきれいな川ではございませんでした。
●この辺はリンゴの産地でもあります。
●いよいよマノスク市内でございます。中世の面影を残す石造りの城門がございました。この城門をくぐると、旧市街に入ります。
●この4階建てですかね、アパートの最上階にジャン・ジオノが住んでおりました。一家が住んでおりました。お父さんは靴づくり職人でございました。お母さんは、1階で洗濯屋さんを開いておりました。この最上階にジャン・ジオノは少年時代を過ごしたというわけでございます。
●アパートの1階の柱には、昔ここにジャン・ジオノが住んでいたというプレートが今も貼られております。
●ジャン・ジオノという作家は日本では無名でございますけれども、フランスに行きますと大変有名でありますというふうにご紹介しましたが、ちゃんとこの町の真ん中に、ジャン・ジオノセンターというものがあるんですね。この建物全部がジャン・ジオノのために作られているというものでございます。
●ジャン・ジオノは昔マノスクで銀行の給仕のようなことをしてたんですね。銀行に長く勤めておりましたけれども、その若い頃のジャン・ジオノの写真でございます。
●これは日本のジャン・ジオノ、つまり私でございます(笑)。
●町の本屋さんでございます。ご覧ください。ショーウインドウの中は全部ジャン・ジオノ本でございます。『リゲイン』という、ちょうど横長の本の宣伝もされてます。あれもジャン・ジオノの本のタイトルでございます。つまり、あるコーナーすべて、ジャン・ジオノ本で埋めつくされている。本屋に行きましてちょっと驚きましたけれども、そのぐらい人気もあるという作家でございます。
●映画館の前で撮りました。『ハザード』というのは、これはもちろんフランス映画でございますんで、よくわからなかったんですけれども、日本では全然この原題とは関係ないタイトルをつけられて公開されました。去年公開されました。『ハザード』というのは、『ハザード・オン・ザ・ルーフ』というんですけれど、