聴講者のメモから
「地方分権の推進」
○冷戦終結後の世界
・地域紛争や宗教紛争の頻発と人口爆発問題も経済問題に帰着する(貧困と格差)
→経済発展指向
→資源、エネルギー消費の増加
→環境破壊
→バランスの失調 ナショナル・トラスト活動等の必要
・環境行政の基本的パターンは地方自治体が主導して国がフォローするかたち
公害行政の歴史についての数々の実例 諸法律の制定の経緯について説明
○今なぜ地方分権か
・行政主導、省庁主導の中央集権体制の成功と失敗
戦後の荒廃から資源を中央で一手に管理して効率的に配分する→経済成長、先進国へのキャッチアップ
⇒画一化から却って非効率、不公平に(地域による気候、人口構成、過疎過密、経済力等の差)
→生活関連や地域関連のことは地方にまかす、地域毎の優先順位の尊重(民主主義の原点)
○地方分権推進の経過
・1995年地方分権推進法制定
地方分権推進委員会 任期5年間 総理大臣に勧告→地方分権推進計画を策定して法律化
地方分権に熱心な閣僚のもと委員は7人で構成 地方分権計画を閣議決定
・第1次から第4次勧告までの主な内容
機関委任事務制度の撤廃 機関委任事務を 自治事務と (約70%へ)
(従来7O〜80%) 法定受託事務に移管(約30%へ)
権限委譲 40〜50件
必置規制の緩和 (保健所の設置や職員の資格とかの規制の緩和)100件位
補助金等の諸規制をできるだけ緩和
○地方分権推進委員会の今後の活動
・第5次、第6次勧告と今後の課題
財源の問題 税制調査会での検討にまつ 税制、財政の見直し配分も
以上のような内容について実例に基づき講演。重責を担う地方分権推進委員会委員長の立場からの解説は分かりやすく示唆に富むものであった。