聴講者のメモから
「自然と人間の新しい時代」
○琵琶湖の歴史
・500万年位前伊賀盆地辺りに誕生→300万年位前土地隆起により比良山の麓辺りに移動 寒冷化により一時浅く、干潟のようになる→70万年位前再び深い湖に戻る→解氷とともに1,5
2万年位前に人間の生活の跡が現れる(石山の貝塚等)縄文、弥生の遺跡など
○世界の自然と文化の流れ
・1〜2万年前頃各地の洞窟に残る壁画「美と知を楽しむ心」→紀元前5〜6世紀宗教の基礎になる自然観、宇宙観の誕生 一番大切なものは太陽、海、空気、大地の四つ 自然と人間全体のシステムという概念
・紀元前4世紀頃 自然科学サイエンスの基四元素 火、水、空気、土をつなぐと循環するという思想(アリストテレス)
この頃中国では陰陽五行説(四元素説とちがい全体を気が包んでいる)→日本にきて約2000年の間宇宙観、自然観の基となる
・コペルニクスを経て日本の近代化の時代へ鉄砲伝来と同時に宗教の影響が→新しい開発の時代→鎖国
・18世紀の自然科学の始まり 物質の構造、光の本性、生命の神秘が自然科学の3大命題→化学、物理、生物学へ体系化されていく
・18世紀中期には熱、電気、磁気等へ命題は変化 蒸気機関の発明を経て産業革命へ (鉄と石炭の時代へ)
・20世紀は天然と人工に新しい意味を付加する時代 科学技術の時代
覇権主義、植民地主義→進歩と開発(自然破壊) 日本は安政の開国
・大政奉還と明治維新 鉄道の開通 琵琶湖疎水―高い技術水準(水力発電―米国は200馬力の時に2000馬力を達成)
・やがて富国強兵の時代 go go and gone 大戦峠戦後
・米ソの宇宙開発競争→オイルショック→日本の工業・製造業の優位の時代
・競争コンペティションの時代へ 競争が国策 自然科学の流れのなかで人間が自然を知り、美と知を楽しむ心をつないできた科学が、戦後、戦争中に反省したはずが、戦後・競争だ国策だという時代になった。
・こういう中で、科学はいろいろな分野に細分化され、専門化されて大変な進歩をしてきた。DNAの構造解明などがきっかけになって、神でないとできないことまで人間ができるのではないかという位のところまできてしまった。
なにができるかではなく、なにをすべきかという時代が既にきてしまっている。
人間が生きるためにとか、あるいは美しい自然を守るためにとか、そういうことを超えてもっと基本的な問題まで入ってきた。
大要以上のような太古から現在にいたる自然と文化の諸問題を、主として科学技術の面から、該博な知識と豊富な実例で興味深く講演。今こそ新しい時代を拓く必要があると結ばれた。