(7)財団・行政・市民の新しい連係の構築へ
全体保全の実現にいたる過渡期(第三期)を支える新連携が模索されています。核となるのは、かながわトラストみどり財団に設置された「小網代の森保全対策協議会」と、市民団体が設立した「小網代野外活動調整会議」の連係です。協議会は、トラスト活動、行政、市民活動の3者調整の場。調整会議は小網代における市民団体の諸活動の情報交換、持続可能な利用に留意した活動指針の作成、安全確保の共同事業などを実施し、協議会への参加、情報提供を介して、財団、行政の保全努力と市民活動の連係をはかっています。
(8)かながわのナショナルトラスト運動に新しい展開を
小網代に限らず、都市における自然の保護を実効あるものとして推進して行くには、行政にばかり依存しない人と資金の支援を、飛躍的に拡大してゆく必要があります。ナショナルトラストの手法はそんな展望を開く力になるか。小網代保全を目指す市民活動は、小網代を含む多摩・三浦丘陵群(いるか丘陵)を持ち場とする「いるか丘陵ネットワーク」に参加し、「かながわのナショナルトラスト運動」との連携に新しい次元を開きたいと願っています。足元の自然の賑いを守るために、相応の労力や資金の提供をおしまない市民文化の形成が、いつも中心の課題です。
以上
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