(4)環境教育改善充実の方向
環境教育の改善充実の方向としては、次のようなことが考えられる。
初等中等教育では、子どもたちの発達段階を考慮して、各教科などの連携を図り、環境への理解を深め環境を大切にする心を育成するとともに、一人一人が身の回りのできることから、環境の保全やよりよい環境の創造のために主体的に行動する実践的な態度や資質・能力を育成していく必要がある。
子どもたちに、環境を大切にする心や、環境を保全し、よりよい環境を創造していこうとする実践的な態度を育成するため、地域社会において、様々な環境にかかわる学習機会の提供を行う必要がある。
具体的には、
?各教科の連携・協力を図り、学校の教育活動全体を通して取り組むことができるよう、全体の指導計画を作成する。また、各教科の指導内容の関連が明確になるようにする。
?教科を超えた横断的、総合的な環境学習が行えるようにするため、教育課程に新たに設けられた『総合的な学習の時間』を適切に位置づけ、教師の協力的な指導を重視する。
?環境を調べる学習など子どもの主体的な学習を重視するため、問題解決的な学習や体験的な学習を重視する。
?子どもの発達段階に応じる。例えば、小学校段階では、身近な環境について考え、積極的にかかわろうとする実践的な態度を育成するため、身近な地域や自然の中で調べ学習をしたり様々な体験活動を重視する。
?中学校、高等学校段階では、環境問題について、身近な環境から地球規模の環境まで広がりをもって考え、積極的にかかわろうとずる実践的な態度を育成するため、例えば、生徒が身近な自然や社会環境を調査・観測しそのデータを情報通信ネットワーク(インターネットなど)を活用して、様々な地域にある学校と情報を交換するなどの活動を重視する。
(5)新教育課程における環境教育
新教育課程下において、環境教育を実践するに当たって考慮すべきことは、各教科等において環境教育にかかわる基礎的な学習を徹底しておく必要がある。例えば、地球環境といった場合の地球については、理科の地学領域で、自然環境と生物については理科で学ぶなど、教科の学習を通してその基礎を学ぶことである。次に考慮すべきことは、環境教育の実践力は、学校外の地域学習が中心になろう。完全学校週5日制の下にあって自然体験、社会体験、生活体験を通して実践的な環境学習を行うことが大切であり、地域社会の施設や人材の活用が何よりも大切である。更には、新設される「総合的な学習の時間」を活用して問題解決的な学習や自ら課題を見いだし、探究的に調べる学習を重視する必要がある。
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