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2−3−6 一般視覚障害者の盲導犬認知状況
●盲導犬希望者と一般の視覚障害者の間で、盲導犬に対するイメージに差が生じていることの要因として、まず「犬」に対する好意度や、「犬」との生活経験の有無、さらには「盲導犬」への関心の有無、知識や情報の程度の差などがあると思われる。
「犬」に対する好意度の有無については、「有り」が60.8%、「なし」が13.9%であり、視覚障害の程度が軽いほど、好意度が高まる傾向がみられる。また、犬と暮らした経験は、「有り」が59.7%、「なし」が37.5%である。
「盲導犬」への関心度については、「おおいにある」は29.4%、「少しある」は41.1%であり、全体の70.5%は関心があると答えている。これは年齢や性別によってさほど大きな差はみられない。しかし、盲導犬への関心がある人の70.0%は「犬」への好意度があるが、盲導犬への関心のない人の中では「犬」への好意度は35.4%にとどまっていることから、盲導犬への関心度は、「犬」に対する好意の有無によってかなり差が生じていると言えよう。

2−3−7 一般視覚障害者の盲導犬使用希望状況
● 一般の視覚障害者における盲導犬使用意向は、「今すぐ希望」が3.3%、「将来希望する」は15.5%となっている。一方、「希望しない」は43.6%、「迷っている」は12.1%、「わからない」は20.3%となっている。
盲導犬の希望状況を現在の年齢別にみると、10代で「今すぐ希望する」人は1.4%にとどまるが、60代になると4.5%と高くなっており、30代から70歳以上までの各年代でいずれも3%を越えている。
従って、盲導犬を今すぐ希望する人は年齢的にやや高い層に多くなる傾向がみられる。また、視覚障害を受けた年齢別でみると、60代以上が7.7%と最も高く、次いで20代で5.0%、30代で4.4%となっている。
視覚障害の程度別にみると、1級の視覚障害者の中では「今すぐ希望」は4.3%となっており、全体に比べて1ポイント高くなっている。また、「将来希望する」は14.4%を占めている。2級の視覚障害者をみると、「今すぐ希望」は0.8%とかなり低いが、その一方で「将来希望する」は19.1%とかなり高い割合を占めている。
現在の主な歩行方法別にみると、「ガイドヘルパーによる手引き」を行なっている人の中で「今すぐ希望」と答えた人は4.8%、「家族等による手引き」では3.6%、「白杖などによる単独歩行」では2.8%となっており、手引き歩行を行なっている人の間で盲導犬を今すぐ希望する割合が高くなっている。さらに、「白杖などによる単独歩行」を行なっている人の中で「将来希望する」と答えた人は16.5%、「家族による手引き」では15.6%、「ガイドヘルパーによる手引き」では11.3%となっており、単独歩行と手引き歩行では大きな差がないことから、現在の歩行にあまり満足していなかったり、将来の自分の歩行に漫然とした不安を抱いている視覚障害者の間で、将来盲導犬を使用することを選択肢のひとつとして考えられているものと思われる。
地域別にみると、「今すぐ希望」する人は、九州地方(4.6%)、近畿地方(4.3%)、東北地方(3. 7%)などでわずかながら高くなっている。一方四国地方(2.1%)、中部地方(2.3%)、中国地方(2.5%)がやや低くなっている。
盲導犬への関心度・認知度と盲導犬使用希望との関係をみると、盲導犬を「今すぐ希望」と答えた割合は全体の3.3%であるが、盲導犬への関心がおおいにあると答えた人の中では「今すぐ希望」は10.6%、盲導犬についてよく知っていると答えた人の中で6.5%を占めている。
このことから、関心や認知度が高くなるにつれて、盲導犬を希望する割合もかなり高まっていくことが予想される。
「今すぐ希望」と答えた視覚障害者については、全体と比較して白杖歩行訓練や日常動作訓練を受けた経験を持つ割合が高くなる傾向がみられるが、現在の歩行に対する満足度においては大きな差がみられなかった。
また「将来希望」と答えた人は60代、70歳以上ではかなり少なくなる傾向がみられる。なお、「今すぐ希望」と答えた人の平均年齢は49.9歳であり、「将来希望」と答えた人の平均年齢は46.3歳である。




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