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提案要旨

保育者の国際的視野の向上を求めて

猪股 祥(平塚保育園長)

 

「国際化」「多様化」ということばは、今や日常用語になってきました。

経済、歴史、教育、医療、スポーツ、食生活、環境…と生活のどの側面をとってみても、世界は一つと実感することばかりです。ささいなできごとも宇宙規模、地球規模で解決の方向性を考えていかねばならない時代となっています。

保育の世界だけは別、といえようはずもありません。

外国籍の子どもたちを受け入れる、といった発想そのものが見直されなければならないと思うことが多くなりました。日本に永住・定住する方々が増え、国際結婚も多くなりました。国際的視野からの思考性を養わねば、保育者としての役割も果たせないと感ずる昨今です。

それでは「国際的視野とは」?と自分に問いかけても難しく、筆が先にすすみません。保育所の立場として、保育現場で日頃感じていることを以下に述べることにします。

 

(1)“外国人保育”というネーミングを変えるところから

国際交流保育、多文化保育…………。

何かよいネーミングはありませんか?

“外国人”は国の外の人と聞こえ、アウトサイダーといわれたようで悲しい、という訴えを聞くことがあります。

 

(2)“○○してあげたい”から“○○から学ぶ”へ

街の中も職場もいよいよ国際的になってきました。お世話をしてあげるという姿勢ではなく、さまざまな国の方々からさまざまなことを学んで視野を拡げ、人生を豊かなものにするという積極的な姿勢に変えたいと思います。

保育者も子どものように好奇心をもって。

 

 

 

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