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間(peer)の間であってもこれは例外ではない。そのような事態を防ぐためには、述べてきた原則にそって人材の養成を行なう必要がある。まず倫理規定を作り、それを遵守させることが必要である。例示すれば、以下のようなものがまずあげられるだろう。

・ コンサルタントの仕事は本人の生活の支援である。基本的に本人の話を第一に聞く。家族と本人を同席させて話をする場合は、本人に十分説明し理解を得てからにする。家族の同席を拒否する権利のあることも事前に伝える。また本人が必要とするなら家族以外のサポーターやアドバイザーの同行が可能なことを伝える。

・ コンサルタントを選択できること、交替させることができることを事前に伝える。

・ 当然のことながら、利用者のプライバシーに関わることについては守秘義務を負う。

・ なすべきことは、まず選択肢を提供すること、選択のための情報を提供することであって、ある方向に向けて誘導することはしない。

・ 代行は基本的に本人に依頼された場合にのみ行ない、本人自身が行なう意思がある時には、それを尊重する。

さらにいくつもあげることができるだろう項目を集め、整理した倫理規定、業務マニュアルを作成する必要がある。また、単に決まりを作るだけでなく、各人が実際の対人的な活動の中で実践できるようにならなくてはならない。そのためのトレイニングが必要となる。

さらに、コンサルタントには知識が必要とされる。個々の専門分野についての細かな知識については個々の専門職の人にまかせるにしても、どのような場合にどこに連絡をとるべきか等、ある程度のことは知っておく必要がある。ところが「社会福祉士」といった資格をもつ人であっても、試験に受かる程度の知識しかないのが一般的であり、また、その受験資格を得るための実習にしても福祉施設で行なわれるために、地域福祉・在宅福祉の現場についてよく理解しているわけでもない。そして特に、福祉制度や福祉機器などの具体的な部分は常に変化しており、学校や試験勉強で得た知識はすぐに古くなってしまう。そこで知識を得るために、知識を更新するためにも研修が必要となる(*15)

そしてそのプログラム、マニュアル作りにおいて、また実際の養成・研修の課程において、サービスの利用者であり、コンサルタントを必要とする当事者が中心的な役割を果たすことは当然である。私たちは、今回のこの「対案」の提出に続いて、来年度、倫理規定、研修マニュアルの作成にとりくみ、それを用いた研修プログラムを実施していく。

市町村障害者生活事業に関しては、既に「障害者生活支援事業全国連絡協議会」が全国から担当者を集めて研修活動を始めている。述べてきたように、私たちはコンサルタント事業が市町村障害者生活支援事業の中でなされるべきだと考えるから、コンサルタントの養成研修コースもこの中に統合させていくことになる。事業を円滑にそして効果的に実施していくためには、この研修プログラムの作成、研修事業の実施は不可欠であるから、この部分について公的資金の投入は当然である。そして、こうした事業は地方単位で行なうことは難しく、全国的な規模のものとなる。ゆえに、国による研修事業の支援が求められる。

 

 

 

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