日本財団 図書館


こうした場合、ケアコンサルタント機関の責任者はその状況を改善するため、行政機関および議会に対して、問題の解消、事態の改善を求める提言を行なうものとする。首長および議会はその提起を受け止め、サービスの利用者およびコンサルタント機関と事態の改善に向けて協議する。この協議が確実に行なわれるためには、定期的な会合が制度化されることが望ましい。また、障害者福祉に関わる制度の開始や改革にあたっては、それを審議するメンバーの中にコンサルタント機関の長を参加させ、現場の実態に耳を傾けねばならない。このように、福祉政策の立案・実施にケアコンサルタント機関が積極的に関与することによってはじめて、利用者個々人のケア計画が実現可能なものになる。また、当事者のニーズに対して不足しているサービス資源がどのようなものであるかが常に明らかとなり、地域レベルあるいはさらに広域の福祉政策へとつながっていくことになる。

 

(4) 質の確保/権利擁護システム

ケアコンサルタント、ケアコンサルタント機関は、あくまでも利用者側に立って支援活動を行なう人であり、組織である。しかし、そうではあっても、利用者の権利が侵害される可能性は残るし、サービスの質の維持も確約されてはいない。これはもちろん、他の直接サービスの供給の場面でも同様である。

こうした問題に対処すべく、私たちは、一つに、サービスについての利用者の選択性の確保を提案してきた。また、利用者の選択による淘汰を可能とすること、実績にもとづく委託の取消しを行なうべきことを提案してきた。さらにもう一つ、コンサルタント業務を含む福祉サービスに関わる、また障害者の生活全般に関わる、権利擁護活動を行なうオンブズパーソン機関を広域行政圏で1ヵ所程度作り、いつでも本人からのクレームに応じられるようにすることを提案する。オンブズパーソン機関は、行政やサービス提供機関から離れた市民の立場から、ケアサービス等行政が関与する福祉全般を監視し、サービス利用者の権利を擁護するものとする。

 

(5) 人材養成システム

過去、そしても現在も、障害をもって暮らす人たちは、行政の担当者、医療・福祉サービスの従事者による不当な介入、不適切な対応を体験してきた。例えば、本人と話し合いその意向を確認する前に家族と話をし、話をつけてしまうといったことが多く見られる。また、少なくとも成人後であれば本人に委ねられるべき生活のあり方をいちいち指図されることがあったし、今でもある。こうしたことがコンサルタント業務(従来案ではマネジメント業務)でも起こるのであれば、それはこの活動自体の意味を否定してしまうことに他ならない。しかし、ただ誰かにこの仕事を委ねるというだけであれば、残念ながらこうした事態が至るところで起こってしまうだろう。そして、障害という共通の属性をもつ仲

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION