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ケアコンサルタント業務を実施する組織が、直接サービスをも実施している組織であるのがよいか、それともそうした組織からは独立した組織であるのがよいかについては、議論がある。利用者の要望に応じたサービスをすぐに用意できるという機動力を有するという点では、直接サービスを行なっていることは利点である。また、日頃からサービス提供を行なっていることによって、利用者のニーズに敏感になるということもある。他方で、このコンサルタントの活動はサービス供給組織の選択に関わる活動でもあり、また利用者の権利を守るためにサービス供給組織と交渉したり、供給組織に対して抗議するといった場合もありうる。供給組織とコンサルタント組織とが同一である場合には、これらの活動が公平にまた有効に行なわれない可能性もなしとはしない。私たちとしては、コンサルタント組織に対する利用者の選択性を確保し、また後述のオンブズパーソン機関を置くことによって、後者の問題を解消し、前者の利点をとるのがよいと考える。したがって、コンサルタント業務を担う機関は、同時に直接サービスを行なう機関であってもかまわない。

 

(2) スタッフ構成・スタッフに求められる要件

常勤のケアコンサルタントを複数、基本的に男女同数おく。利用者は男女複数のケアコンサルタントの中から自分の意思を反映できる者を選定する。

事務作業への対応も含め、常勤職員2名を最低限の人員とし、事業実績に応じて増員する。常勤職員は、ピアカウンセラーがもっとも好ましいことから、自身も障害をもち、障害者の生活に関わる支援活動の経験がある者を優先的に採用する。

ケアコンサルタントは利用者サイドからみた介助者の選定法、地域での人間関係づくり、住宅改造のあり方、移動手段、権利擁護等、従来の専門家にない知識と経験をもって援助するほか、利用者のために情報を集め、専門職を紹介し、引き合わせ、本人が選択し、判断する材料を用意するアシスタントである。それゆえ、長い自立生活の経験と、ピアカウンセリングを含む幅広い知識と、情報源についての幅広い人脈を持っている必要がある。

常勤・非常勤スタッフは、PT、OT、ST、建築家、保健婦、社会福祉士、介護福祉士、医師、専門医、看護婦等と連携をとりながら仕事をすすめる。これらの専門職者は、この事業を行う事業所と一定期間の契約を結び、コンサルタントに対する助言、情報提供などに応じる。

 

(3) 政策決定に対する関与

ケアコンサルタントは、基本的に障害をもつ当事者、サービスの利用者の側に立って、支援活動を行なう。こうした活動の中で、サービス供給量の不足など様々な問題が明らかになることが当然ありうる。

 

 

 

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