4 ケアコンサルタント・システム
(1) ケアコンサルタント機関
私たちはセルフマネジメントとケアコンサルタントを提案した。そこで、ケアマネジメントを行う機関について、ケアマネジメント機関ではなく、ケアコンサルタント機関という名称を使うことにする。
既に何度か述べたように、ケアコンサルタントの業務は「市町村障害者生活支援事業」の中に含めた形で行なうことができ、また行なうことが適切でもある。また、介助サービス等の福祉サービスの実施主体である市町村からは一定の独立性を保つことが望ましいことから、実施主体は、市町村とするにしても、民間非営利組織にこの事業を委託するのがよい。したがってケアコンサルタント機関は、支援事業を市町村から委託されて実施する機関とする。もし仮に支援事業と別個にこの事業が設定される場合があったとしても、支援事業を委託された機関がこの事業についても委託されるのが効果的である。(「身体障害者介護等サービス体制整備支援試行的事業実施要綱」の「介護等サービス提供計画作成試行的事業」のイでは、「市町村が再委託して実施することができる機関」の最後に「障害者生活支援事業実施機関等」の文言がある。)
なお、利用者の選択権を保障するためにも、利用者は複数のケアコンサルタント機関を利用できるものとし、複数の選択肢の中から自分にあった機関を選択できるようにすることが望ましい。
委託機関の選定にあたっては、何より利用者に有益なサービスを提供できることを第一の条件とし、公平を期すものとする。また、事業については報告を義務づけ、実績に応じて組織の拡大を認めると同時に、利用者の要望に応えることのできない組織については、委託を中止する。なお、これらの選定、事業の拡大、委託の廃止の全過程は透明なものでなくてはならず、情報公開は当然である。
このコンサルタントの仕事をするのに適しているのが、地域での生活の経験と生活の支援の経験をもつ障害をもつ当事者であり、障害当事者が中心になって運営し障害者の地域生活を支援してきている組織であることも、既に述べた通りである。もちろん、障害者の組織であることが十分条件なのではない。あくまで、以上述べてきた性格を有するコンサルタントの仕事をするのに適しているのは当事者組織であるということであり、委託にあたっては業務遂行の能力を第一の条件とする。ただ、地域間格差は事実存在する。公的な支援が今までなかったことにも起因し、こうした支援をどこも組織だっては行なっていない地域も多い。こうした場合には、当事者組織に試行的に実施させ、何年かの後にその実績を評価し、委託を継続するか中止するかを決定するといった方法をとるべきである。