このようなセルフマネジメントを目標としたエンパワーのための情報提供支援を行なわないと、利用者は無期限に援助の「対象」の地位にとどまって自律性が失われ、援助者からみると援助しなければならない利用者が増えることはあっても減ることがなく、しかも援助する期間が長引くばかりとなって、利用者と援助者の双方にとって好ましくない状況に追い込まれてしまう。
コンサルタント方式とセルフマネジメント方式の場合には、時間の経過にともなって利用者がだんだん力をつけ、ケアを自己管理できるようなアセスメントが求められる。
ケアコンサルタント等、周囲の者からみてセルフマネジメントを行なうには不安を感じるが、当事者自身はマネジメントができると思っている場合も実際にはある。こうした場合にも、まず本人にマネジメントしてもらい、そのあとでモニタリングをし、うまく行っているかどうかを本人に聞きながらフォローをする。大事なことは、周囲の者がセルフマネジメントの経験を最初から奪ってしまうのではなく、一度本人にマネジメントをやってもらうというリスクを犯す権利を与え、自己尊厳を尊重することである。誰もが失敗をしながら成長していくのであり、安全を期して失敗の機会を回避させることは、利用者本人の意欲をなくすことになりかねない。だからといって、全く本人に任せてしまい取り返しのつかない状況になってしまうことも避けねばならないだろう。このようなタイプの利用者に対応することは非常に難しいが、ともかく、利用者の意向を第一に尊重し、セルフマネジメントを行なうと同時に定期的にフォローする、あるいは何かの目標を利用者と一緒に設定することによって話し合いの機会を持つ、などといった対応が考えられよう。
当初は自分で管理できず、他人に支援を求める人であっても、その支援を受けながらやがて自分自身で自らの生活、生活に関わるケアを管理できるようになるように、支援することをめざす。やがて「消えていく」ことを想定したものである。
そのために、ニーズの評価や、ケアプランの全過程に本人が参加できるようにする。単に参加するというだけでなく、コンサルタントの助言・支援を得ながらも、障害当事者自身がケアニーズを自己評価し、マネジメントすることを基本とする。あくまでも本人を「補う」ためにコンサルタントは存在する。
知的障害があったりして、自分の意思の伝達が容易に誰にでもできるわけではない人もいる。こうした場合には、複数の選択肢をわかりやすく示して選択してもらうなどの工夫が必要になる。またあくまで本人の思いを尊重しながら、本人が選んだピアカウンセラー、友人、親など、自分のことを代弁してくれる人や介助者を、必要があれば連れてきて相談を受けることも、場合によっては必要になる。
(4) 生活領域別の具体的な支援内容
医療とリハビリテーションは、意図的に分野の一つから外した。在宅で自己管理できることを前提に退院して地域で暮らしているからである。