日本財団 図書館


他のさまざまなサービスについてと同様、福祉サービスについても、情報が十分に与えられなければ、その利用者はその内容をよく把握することはできない。また、施設や親元で暮らしてきたことによって、他の社会人が当然に得ている生活術や知っている情報を知らないということがある。これらのことは、彼らにもともと自己管理能力、生活能力がないということではなく、暮らしてきた生活環境によるものであるが、それが、モデルCで本来は可能な人が、今すぐにすべてを自己管理できないでいることの要因となっている。

そこで、個々人に対する支援とともに、自立生活センターが実施してきた「自立生活プログラム」などによる情報の提供、生活術獲得のための支援、その前提ともなる自身に対する信頼と自信の回復のための援助が有効である。また、一人ひとりに対して、その時々に応じて、相談を受け、情報を提供してきた活動が有効である。これらと、一人に対して比較的長い時間をかけるコンサルタントの活動を組み合わせることによって、モデルBに位置する人たち、あるいはそこまでは必要でないがすぐにはすべてを管理できるには至らない人に、援助が可能となる。また、モデルBへの受け渡しや、フォローアップが円滑に行なわれる。

このコンサルタント事業が、自立生活プログラム、ピアカウンセリングを組み入れた国の事業として「市町村障害者生活支援事業」とともに、というよりむしろ一体化したかたちで行なわれるべき理由はここにもある。

 

(3) エンパワメントとしてのケアコンサルタント

一般的に、ケアマネジメントのプロセスが開始される際、それに先立ってアセスメントが行なわれる。セルフマネジメントを最終的な目標にするためには、援助者が行なう援助のためのアセスメントではなく、障害当事者が自分自身にかかわるケアをマネジメントする助けとなる情報提供が求められる。それは、障害当事者が自分の状態を知り、自身のニーズを充足するためにはどのようなケアやサービスの選択肢があるかあるいはどんな生活が可能なのかを知るための情報を提供してくれる人が必要である。いったんサービス情報が開示されれば、2度目からは自己選択が可能となる。すなわち、これがエンパワメントのためのケアコンサルタントである。

援助のためのアセスメントならば、利用者の状態を援助者側が把握することで充分であろう。しかし、利用者は常に援助される立場にとどまってしまい、エンパワーされない。利用者がエンパワーされるためには、利用者のニーズを把握する方法やサービスを利用するための知識や情報を、専門職をはじめとした援助者から利用者へと移すことが必要である。それには、自分に自信を取り戻すためのサポート、すなわちピアカウンセリングや自立生活プログラムが有効である。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION