(2) 基本原則
・ 地域での独立した生活が保障されなければならない。在宅サービスの不足を理由に施設への入居をすすめるといったことがあってはならない。また、親や親戚との同居をすすめたり、家族によるサービスを他の社会サービスに優先させて求めるようなことがあってはならない。
・ 社会サービスは、当事者の生活のかたちを限定するものであってはならない。障害のない人と同様に様々な社会活動を行なうことを保障するものでなければならない。したがって、地域でのサービスは狭義の「在宅サービス」に限られるものではない。高齢者サービスについて「寝たきり老人ゼロ」が提唱されてきたが、さらに「外出介助の保障」がなされなければならない。
・ 社会サービスの水準は以上を達成できる水準に設定されねばならず、予算の増減に左右されるものではあってはならない。また、個々人のニーズの変化に迅速に対応するものでなくてはならない。これらが保障されないなら、アセスメントについての疑念を招くことになってしまう。また、将来のサービスの切り下げに対する懸念を生み出すことにより、余分なサービスの請求を促してしまう。必要になった時に必要なだけが供給されるという安心感が、サービスの効率的な供給と利用をもたらす。
・ サービスは利用者によって選択可能なものでなくてはならない。同じく税金を財源としてサービスが行なわれる場合でも、それを利用した複数の供給主体があることが望ましい。また、同一の供給主体から例えば介助サービスが供給される場合でも、誰からサービスを得るかの選択権が保障されなければならない。利用者はこれらの中から自分に合ったものを選択し、選択が間違っていたと感じたら、それを変更することができるものとする。そのためには、すべての選択肢がわかりやすく提示されなければならず、また、決定や決定の変更にあたって必要な場合には、それを支援する人・機関の協力を得ることができる。ケアコンサルタントがその役割を果たす。コンサルタントは、あくまで側面から支援することがその任務であり、コンサルタント自身は決定権をもたない。
・ サービスシステムや供給量の立案にサービスの利用者が参加するのは当然である。さらに、当事者が参加したかたちでの再評価のシステムを組み入れる必要がある。
(3) 供給量決定のあり方
サービスの総枠の決定は、決定する必要があるとすれば、最終的には政治的決定として行なうしかない。ただし、個々人に供給するサービス量について、その基準が妥当なものか、またどこまでその評価自体が必要であるか、以上をよく検討する必要がある。
まず、身体的な状態の評価だけによってサービス水準を一律に決定することは認められない。あくまで、本人がどのような生活を送ろうとするのか、そのためにどれだけのサービスが必要なのかという観点から、サービスは供給されなければならない。