2 原則をはっきりさせ具体的な基準を設定すること
(1) なぜまず原則・基準があるべきなのか
原則をはっきりさせ、具体的な基準を設定する必要がある。どんな場合にどれだけのサービスが提供されるべきかという自治体の責任を、誰にでもわかるように示した基準を確立することが必要である。
こうした原則と基準が明確に実効的なものとして存在しないならば、仮にアセスメント、マネジメントを行なうにしても、実際にそれをどのように行ない、どのようなケアプランを提示してよいのか、定まらない。
基準をはっきりさせないまま、曖味なままにケアマネジメントが始められたならば、どういうことになるか。たとえば需要が供給を上回るなら、アセスメント、マネジメントは─一人ひとりのマネージャーの思いとは別に、事実上─サービス供給を切り下げるための手段となってしまい、ケアマネジメントは利用者に対して抑圧的に作用し、恐れを抱かせるものになってしまう。ケアマネージャーは利用者から警戒される存在となり、きわめてストレスに満ちた仕事に従事しなければならなくなる。実際、コミュニティケア、ケアマネジメントの「先進地」英国では、以上の危惧が現実となっている。マネージャー(私たちのシステムにおいてはコンサルタント)は、供給サイドと利用者の間の「板挟み」になってしまう存在であってはならない。むしろこうした場合には、当事者とマネージャー(コンサルタント)は、設定された原則と基準に基づき、あるいは基準の変更を訴えて、それに責任をもつ行政当局あるいは議会に対して現状の変更を訴えることが可能でなくてはならない。そのためにも、原則と基準の設定が必要である。これによって、マネージャー(コンサルタント)も不当な負担をまぬがれることができる。
また、やはり需要が供給を上回るような場合、現に可能なサービスの範囲内で優先順位をつけることになるだろうが、その際の基準は何か。これが個々のマネージャーの恣意にゆだねられることがあってはならない。ここでも、普遍的な原則を確立すること、問題が生じた場合の手続きが設定されることが必要となる。
そしてこの原則・基準は、基本的に国のレベルで設定されるべきものである。地域間に格差があることを正当化する理由がないからである。
最低限ふまえるべき原則を以下に示す。