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療機関の紹介、保健所等専門機関の紹介」とあり、また5.「職員配置等」の(2)には「医師、保健婦…を必要に応じ嘱託職員として確保するものとする」とある。「支援事業」において「保健・医療」の側面が抜け落ちているわけではない。

そして「市町村障害者生活支援事業」において評価できるのは、「ピア・カウンセリング」(*12)を位置づけたことであるが、それが「ガイドライン」では抜け落ちている。これはどうしてだろうか。ちなみに、「試行的事業」の要綱では単に「介護支援専門員の役割を担う者を中心として」とだけある(「介護支援専門員」は「ケアマネージャー」の訳語ということになるのだろう)。さらに、1997年8月に発表された厚生省の担当官による文章では、以下のようになっている。

「ソーシャルワーカー(社会福祉士等)、保健婦、介護福祉士(ホームヘルパー)、ピアカウンセラー等による一次評価…。

ケア会議はケアマネージャーが進行役となり、利用者のニーズに関わる専門職(ソーシャルワーカー、医師、保健婦、看護婦、PT、OT、介護福祉士、ピアカウンセラー等)、市町村の担当者等が参加し、チームアプローチで行います。」(奥野[1997b:10])

この文章において「ピアカウンセラー」が付加されたのは、それ自体は評価できるにせよ、どういう事情によるものなのか。総じて、この「試行的事業」を「支援事業」と別に立てる必然性、合理的で積極的な根拠、はっきりとした狙い、事業を行なうにあたっての確固たる姿勢を見出すことができないものとなっている。

制度として一度できたものは、少なくとも現在の日本の現状では、なかなか無くならない。一度掲げ、予算がとれた事業は、続けて予算を獲得しそして「消化」するために、行われ続けられることが多い。だからこそ、私たちは、「試行的事業」の拙速なそして中途半端な実施に、強い危惧を抱くものである。そして、これまでの地域生活支援の経験から、そして本稿における検討から、「支援事業」と独立した「ケアマネジメント」を行なう必要性を認めることはできないのであるが、このことは「試行的」事業における「試行」でも明らかになるはずであり、少なくともその時点で、より現実的で合理的な方向への修正がなされるべきであると考える。

 

 

 

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