「利用できるサービスの提供先が複数ある場合には、すべてを列挙し、これらについて十分に説明して、最終的にどの提供先からサービスを利用するかについては、利用者及び家族の選択に委ねます。」(『ガイドライン』p.13)
供給主体の多元性が語られ、また利用者による選択が語られているかのように受け取る人がいるかもしれない。しかしそうとは読めない。
ここで想定されているのは公的サービスと民間の(営利・非営利)サービス、家族によるサービスの3つないし4つがあるということである。つまり、公的な(財源を使って行われる)サービス自体について、その実施主体が複数あることは明らかでない。むしろ、公的サービスについては単一であることが前提されているように読める。そしてそれ以外のサービス供給形態として、ケアする人のボランティア(自己負担)か、あるいは利用者の側の自己負担、あるいはその折衷(有償ボランティア)があげられている。
しかし、これは唯一のあり方ではない。現実に試みられており、また効果をあげているのは、財源については政府が責任をもちつつ、その財源を使ってサービスを供給する供給主体が複数あり、利用者はその直接のサービスの供給者を選択できるようにするというものである。例えば、ある地域内で複数の供給主体がホームヘルプサービスを委託されて行う。このことによって、利用者はより自分に適したサービスを利用できる。また供給主体の間でも競争が働く。これを介してサービスの質の向上につながる。こうしたシステムが『ガイドライン』では想定されていない(*11)。