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このあたりが一切明らかでない。一切明らかでないままに行おうとするのだろうか。

例えば、アセスメントが行われ、それによって割り出れたニーズとそれに対応するサービス(のパッケージ)に利用者が満足しない場合にどうなるのか。『ガイドライン』では、当事者の同意を得てプランが作られるとはなっている。しかし、同意が得られない場合はどうなるのか。プランは作られず、何もなかったことになるのか。その場合に、利用者はそのことについてどこに抗議することになるのか。行政の窓口の代わりにケアマネージャーあるいはケアマネジメント機関があるということであれば、実質的にはそこで終わりになってしまうということにもなりうる。

ケアマネジメントを受けない人とケアマネジメントを受ける人、各々についてどういうことになるのかを考えてみればよい。マネジメントを受ける人は、自分でケアを管理するだけの力、知識が(まだ)ない人である。その人がマネジメントを受けるのだから、これが現実に可能な線だからこの辺にしておきましょうと言われて、それで決着してしまう、落ち着かされてしまうということになってしまうことの方が多いだろう。このようにして(マネージャー自身はそのようには受け取らないとしても)マネージャーが押し切ってしまうこと、利用者が押し切られてしまうことは、おおいに考えられることである。

「ケアマネジメジトは障害者一人ひとりの複合的なニーズに対応するものであり、あらかじめサービスの上限を設定するようなものであってはなりません。しかし、ニーズの評価やサービスの提供に当たり、客観的な「ものさし」が求められるかもしれません。こうしたことの検討や、ケアマネジメントに重要な役割をもつケアマネージャーの養成・研修等が今後の課題です。」(奥野[1997b:11])

これは、1997年8月に発表された厚生省の担当官によって書かれた文章の一節であり、1996年に発表された『ガイドライン』において、必要なことが何も検討されなかったことを示している。

 

(3) アセスメントは必要か

ある状態に対して最適の手段を見出すための手段として、アセスメントを行うことが必要な場合はあるだろう。例えば、どのような機器を使うと生活が快適になるのかを知るために、また機器や住宅改造と人手による介助とをどのように組み合わせたらよいかを知るために、その人の身体の状況、生活の状態を知ることが必要な場合、有効な場合があるだろう。この意味でのアセスメントの必要性を、私たちは否定しない。

しかし、述べたように、イギリスなどのケアマネジメントで行われているのは、それだけではない。サービスをどれだけ出すのかについての決定をケアマネージャーが行っている、少なくともその決定にケアマネージャーが関与している。だから先述した問題もまた、利用者との間に起こっている。ケアマネジメント、そしてケアマネージャーは、このこと

 

 

 

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