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『ガイドライン』冒頭の1「ケアガイドラインの趣旨」の(2)「障害者福祉に求められる視点」の1「リハビリテーションの視点」2「ノーマライゼーションの視点」と3「QOL(生活の質)の視点」の前に位置しているでは次のように述べられる。

「リハビリテーションとは、障害者が身体的、精神的、社会的に最も適した機能水準を達成し、それによって各個人が自らの人生を主体的に生きていけるようになることであり、かつ、期間を決めて実施するプロセスです。

障害者の地域生活を支援するサービスを提供していく際に考慮すべきリハビリテーションの視点とは、本人が自分の能力を最大限に伸ばし、これを活用し、主体性、自立性、選択性をもって生活できるように支援することです。」(『ガイドライン』p.1)

「ケア計画を作成するときに考える第一次的なことは、利用者本人の能力を最大限生かすことであります。」(『ガイドライン』p.12)

「障害者が身体的、精神的、社会的に最も適した機能水準を達成」することが先に置かれ、「それによって」とつなげられ、「各個人が自らの人生を主体的に生きていけるようになる」という順序になっている。しかし、生活者主体を言うのであれば、順序が違うのではないか。一人ひとりの生活者がどのように生きていきたいかがまずあり、そのために何がどの程度必要なのかを考え、必要な資源を獲得する。その中の一部分にその人自身の「機能」を(最大限に)高めることも含まれるが、常にそれが(最)優先されなければならないのではないと考えるべきであろう。ところが、『ガイドライン』はそのように書かれておらず、矛盾に気づいてもいないようである(*06)

現状では、誰もが簡単に地域で生活できるような状況にはなっていない。生活していくためにはいくつもの障壁をとりのぞかなければならない。それを誰が行ってきたのか。第二に、従来のリハビリテーションの専門家達が、障害者が地域で暮らすために必要なサポートを実際に行い、成果をあげてきたというのであれば、その証拠を示すべきである。もちろん、彼らが何もしてこなかったと主張するものではない。力を尽くしてきた人達がいないと主張するのではない。しかし、それは彼らがリハビリテーションの専門家であったからではない。リハビリテーションの専門家で(も)ある人たちの中に力を尽くしてきた人がいるということなのである。

実際、厚生省の心身障害研究の一環として行われた聞き取り調査においても、彼らが地域で暮らし始めるにあたって、また地域での暮らしを継続していくにあたって、重要な役割を果たしたのは「自立生活センター」と呼ばれる組織であり、そのスタッフであったことが明らかになった(*07)。もちろん地域格差があることは否定できず、各地の当事者組織のすべてが今すぐそうした仕事を十分に担いうるとまで主張するものではない。しかし、それは彼らが活動し働く中での経験や知識の蓄積が十分でないからであって、各地の

 

 

 

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